2013年の赤ちゃんの名前……よび名の傾向
2012年の名づけ・使われる文字の傾向はどのようなもの?
ユウの音は「深い」「柔軟」の意味がありますが、夕、幽などの漢字が示すように、「つかみにくい」という意味も含みます。従順で静かなタイプの男性が望まれ、増えていく風潮をあらわしているのかもしれません。
全体的にみてよび名の最後にくる音としては、「と」「き」「た」で終わるものが多く、そのほかには「せい」「すけ」「ご」などもよくみられます。セイで終わるものは、「ゆうせい」「こうせい」など音読みの名前ですが、このような音読みの名前も年ごとにだんだんと増えています。
女の子の人気の呼び名のベストテンは「しおり」「さやか」「あやか」「みゆ」「えりか」「さき」「はるか」「まゆ」「まやこ」「かほ」ですが、9位の「まやこ」はこれまで非常に少なかったよび名で、なぜ今年だけベストテン入りしたのかはわかりません。これだけは2013年のきわだった特徴です。
ベストテン以外でも、「まな」「ゆい」「ゆう」「みお」「めい」など、2音の名前はやはり人気が高いといえます。2音の名前が好まれるのは毎年ほとんど変わらない傾向です。
なお昨年に引き続いて今年も、ハル、アサヒ、カナタ、リン、ヒナタ、アオイ、ルイ、イブキ、ヒカル、レオ、レンなど、男女両方につけられる名前がつけられています。漢字別の集計でも、昨年ほどではありませんが、やはり葵(あおい)、凛(りん)、蓮(れん)、日向(ひゅうが・ひなた)、穂高(ほだか)、悠真(ゆうま・ゆま)などの男女混用の名前がつけられました。男女不明の名前は社会生活ではそれなりの混乱と不便は覚悟しなければなりません。
なお男女ともに、陽翔をハルト、大翔をヒロト、心音をココネ、陽向をヒナタと読ませるような、読み方が正しくない名は依然としてあります。これらは今人気の数の多い名前なので、まさか読み方が間違っているとは気がつかずにつけてしまうかたも多いようです。
2013年の名づけに多く使われた人気文字の傾向
名前に使われる漢字というのは、その時代、その社会に欠乏したものが多く使われる、という傾向があります。今年も例年と同じように、咲、樹、楓、菜、梨、葵、芽、奈、莉、香など植物をあらわす字や、輝、陽、陸など大自然をイメージするような漢字が多く使われました。とくに文字別の順位では、女の子の名前の2位が咲希(さき)、3位が咲良(さくら)であり、咲の字が増加したのが特徴です。現代人が自然に飢えている、という傾向は変わらないようです。また大、太、悠、優、結、愛などの字も昨年と同様に多いですが、やはり大きさ、広さ、優しさ、そして人の結びつきというものが求められているということだと思われます。
使用される漢字で、昨年と比べて人気順位が上昇した字は、「一」(35位→9位)、「咲」(36位→12位)です。
2013年の名づけの発想についての大きな傾向
名づけの大きな流れとしては、やはり音(響き)や、自然のイメージから作る名づけが主流で、これは良い傾向です。ただし世の中に流れている情報は圧倒的に占いの話が多いですから、字画占いに従う名づけもまだ一部の人には行われています。いわゆるキラキラネームという、他人にまったく読めないギャグ名前のようなものは、昨年に比べて増加したという結果は見られません。もしかするとそうした流行自体が陳腐になり、世間の冷たい反応や批判にさらされて頭打ちになっていることも考えられます。もちろんキラキラネームと個性は関係がなく、他人に読めず、男女を間違える名前は世の中で機能を果たさず、つけた人の知能やセンスを疑われることもありますので、メリットは何もありません。
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