40代でメジャー俳優デビュー?!
――青年団の舞台に初出演なさったのが42歳の時ですよね。……それまでは?
志賀
38歳くらいの時にね、「ああ、俺、今俳優としての仕事を全然してないなあ。」ってふと思ったんですよ。演技の講師等の形で俳優教育に関わってはいたものの、プレーヤーとしては開店休業状態だった。で、その後いくつか舞台に出演しながら自分の道みたいなものを模索している時に青年団の芝居を観て、主宰の平田オリザの俳優養成や芝居の作り方に凄く共感したんです。それで42歳の時に初めて青年団の舞台に出て、正式に入団したのが45歳かな。
――そこから何かが大きく変わって行ったんですね。青年団に入って、舞台に出演する内に映像の現場も増えて行った感じでしょうか?
志賀
そうですね。最初は衛星放送・DirecTVのCMかな。後はAppleのCMで筒井康隆さんと絡ませて貰ったり、TBCのCMでナオミ・キャンベルさんの上司になったりね(笑顔)。CMの仕事を多くやらせて貰う内にそれを面白がってくれたテレビの関係者がドラマにもキャスティングしてくれるようになり、色々広がって行きました。
第二の俳優デビューから20数年
――そしてその広がりが最初に出た、2013年のご活躍にも繋がっていく訳ですが、2014年オンエアのドラマの撮影も既に始まっているそうですね。
志賀
そうそう。2014年1月17日から毎週金曜日にテレビ東京でオンエアされる『三匹のおっさん』というドラマにおっさんの1人として出演します。幼馴染の3人が町内の悪事を斬る!って内容なんですが、何とこの幼馴染が北大路欣也さんと泉谷しげるさんなんです。有川浩さんの原作も面白いし、キャストも凄いでしょ?是非ご覧下さい。
――2014年も、キーパーソンとして様々なドラマにご出演なさると思いますが、今後、チャレンジしてみたい役がありましたら教えて下さい。
志賀
第1次産業……農業とか漁業で頑張る人の役をやってみたいですね。後は時代劇に出てくる居酒屋のおやじさんとか。あ、そう言えばこれも2014年1月公開の作品なんですが、『ほとりの朔子』という映画に出演しています。二階堂ふみさんが主演で青年団の演出部に居ながら、舞台を作らず映像を撮り続けてる深田晃司君が監督した映画。これはね、僕も大好きな作品で本当に大勢の人に観て欲しいと思っています。
今回は志賀さん行きつけのお魚が美味しい居酒屋さんでお話を伺ったのですが、ガイドが19歳で初めて出会った時以来、全く変わっていないその自然な佇まいに癒されました。青年団・ホームグラウンドの駒場アゴラ劇場での公演時、終演後に若手と一緒に黙々と片付けを手伝うお姿を思い出し、志賀さんが様々な演劇人に愛される理由の1つを改めて噛み締めた夜でした。
■志賀廣太郎さん今後の出演舞台
◆青年団第71回公演『もう風も吹かない』 ツアー
作:演出 平田オリザ →公式HP (劇場・日程等ご確認下さい)
◆ナイロン100℃ 41st SESSION
『パン屋文六の思案~続・岸田國士一幕劇コレクション~』.
作:岸田國士 構成・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
4/10(木)~5/3(土祝) 青山円形劇場 →公式HP