オデッセイらしさは健在でしかも進化
先代よりも150mmも背が高くなり、オデッセイらしい走りがどうなったか気になる点だが、今回試乗したオデッセイ(標準車)でいえば、上質で乗り心地がよく、しかも適度にシャープなハンドリングも楽しめるという、バランスの良さを実感できた。乗り心地の良さとハンドリングは基本的に相反するが、CR-Vやマイナーチェンジ後のステップワゴンのようにスムーズに路面を捉え、大きな段差を乗り越えたときのショックもよく抑えられている。
しかも、スポーツカーのようなクイックな動きではないものの、コーナーでのロール感は自然で、腰高感はほとんど抱かせない。つまり、首都高速などで少し飛ばしてもミニバンだから仕方がないと諦める必要はないのだ。乗り心地とフットワークのバランスが光る走りの完成度は、同クラスのミニバンの中でもトップといえる。
標準車のパワートレーンは、175ps/225Nmの2.4LでCVTとの組み合わせだが、街中から高速域までパワー不足を感じさせるシーンはなく、まさしく必要十分といえるものだ。
CVTは20~30km/hくらいの加速域で段付き感を抱かせるシーンが散見されるものの、エンジンはホンダらしくスムーズに回るし、街中なら「ECON」スイッチを押したままでもトルクは十分だし、パンチ不足も抱かせない。
標準車でも魅力は十分
ステップワゴンと同じお馴染みの床下格納式を採用。操作は楽だし、格納してしまえばすっきりするが、座面がすべて床下に格納されるため、左右跳ね上げ式のように片側だけ跳ね上げて(格納)して、もう片側のシートに乗ることはできない
ライバルとなるのはエスティマを筆頭に、エルグランドやMPV、エクシーガあたりも候補になりそうだが、さすがに最後発だけあってパッケージングも走りもトータルバランスの高さは抜きん出ている。
モデルライフを通して安定して売れ続けるか、新しいオデッセイはから目が離せない。