子供のしつけ/親子関係

兄弟喧嘩に対する正しい親の対応は?悩みのタネを解消

毎日のように起こる兄弟喧嘩が悩みの種だという親御さんも多いでしょう。そんなとき、親はほっとくべきか仲裁するべきか?今回は兄弟喧嘩にたいする親の対応について解説します。また日頃から親が意識できる・気を付けることについて考えてみましょう。

上野 緑子

執筆者:上野 緑子

幼児教育ガイド

兄弟喧嘩、姉妹喧嘩への正しい親の対応は?

兄弟喧嘩のとき、親はどう対応したらよい?

兄弟喧嘩のとき、親はどう対応したらよい?

毎日のように、子ども達が兄弟喧嘩をするのが悩みのタネだと嘆いているお母さんもいらっしゃるでしょう。年齢が近ければ近いほど、喧嘩も多くなりますね……。そのとき母親はどのように対応するのがいいのでしょうか。また日頃から気を付けることについて考えてみましょう(この場合の兄弟は、兄と弟だけでなく、姉と妹など、全てのケースを含んでいます)。
   

兄弟喧嘩があるのは当たり前で自然なこと

兄弟喧嘩に対する親の対応を解説。

兄弟が喧嘩をするのは自然なこと

まず、兄弟はよく喧嘩をするもの。喧嘩をする方が自然で、仲の良い証拠です。喧嘩の原因の大部分は些細なことでしょう。自分の持ち物に勝手にさわったとか、「お兄ちゃんのお肉の方が大きい! ずるい!」など。そして暫くすると、いつの間にか兄弟で仲良く遊んでいるものなので心配はいりません。というより、兄弟喧嘩をしない兄弟の方がかえって心配といってもいいでしょう。

兄弟喧嘩で頭ごなしに上の子どもを叱るのは禁物

大怪我に進展する心配がなければ、母親は干渉しない方がいいでしょう。一番良くないのは、喧嘩の流れもわかっていないのに、頭ごなしに、上の子どもを叱ることです。「お姉ちゃんなんだから、我慢しなさい」「お兄ちゃんなのに、どうしてそんなこと言うの?」などと叱るのは禁物です。
 

仲裁に入るとき:親は子ども達の言いたいことを伝える役に

大怪我に進展しそうで、喧嘩の仲裁に入る場合、平等に2人の話を聞くこと。そして、感情が高まって、自分の言いたいことを冷静に伝えられない子ども達に代わって、子ども達の思いを相手に伝えてあげましょう。

「○○ちゃん、どうして、こんなことしちゃったの?」
「△△ちゃん、お兄ちゃんはこうだからしたんだって。△△ちゃんは、どうしてしなかったの?」と、間に入り、お互いの気持ちを聞きだし、相手に伝えることが大切です。

些細なことが原因で根に持たない喧嘩なら心配はいらないのですが、中にはそうでない場合もあります。誤解などから相手に対し良くない感情を大人になっても持ち続け、仲の良くない兄弟もいます。

そういうことを避けるために、お互いに悪い感情を持たさないようにするには、どうすればいいのでしょうか。
 

兄弟仲の良いときにほめる

兄弟喧嘩をしていない仲のいい時に褒めよう。

兄弟が仲良くしているとき、それぞれの良いところをほめるのです

兄弟が仲良くしているとき、それぞれの良いところを褒めるのです。例えば、弟が兄にボールの蹴り方を教えてもらっているときに、
「お兄ちゃんに教えてもらったの? お兄ちゃん優しいね」
とか、
「お兄ちゃん、ありがとう。○○ちゃんも、お兄ちゃんの蹴り方一生懸命見ていたね。お兄ちゃん上手だもんね」
と、弟には、お兄ちゃんの優しさを伝え、兄には、弟が慕っていることを伝えましょう。
 

兄弟それぞれに相手の気持ちを伝える

また、2人がそろっているときでなくても、各々に、
「○○ちゃんが、お兄ちゃんのこと、優しいなぁって言っていたよ」とか、
「お姉ちゃんが、○○ちゃんのこと、かわいいから大好きって言っていたよ」と
伝えましょう。もちろん、作り話ではいけません。子ども達が、兄弟のことを褒めたことを見逃さないでください。

直接言われるより、人を介して言われる方がより嬉しいものです。というのも、悪口も、直接言われるより人を介して言われる方が、より堪えますからね。嬉しいことも同じことなのです。

また、アルバムを見ながら、下の子が赤ちゃんの時に上の子どもが慣れない様子で、抱っこしている写真などを見ながら、「お兄ちゃん、○○ちゃんのこと、よくかわいがってくれていたんだよー」などと言うのも効果的です。
 

兄弟を比較しない

兄弟が同性の場合は、なおさら比較は良くありません。周りが比較しなくても、兄は弟に、また、弟は兄に負けたくないという気持ちはあるはずです。「お兄ちゃんなのに負けるなんて……」そんなことは言われなくても、年が上である兄が弟に負けることはそれだけで辛いわけですから、さらに親に追い討ちをかけられることがどれほど子どもの心を傷つけることになるか言うまでもありませんね。

また、兄の方が優秀な場合、親は上の子どもを基準に考えてしまうので、弟は比較され、できない子どもと烙印を押されてしまいます。そして、弟は頑張ることから逃げてしまう場合があります。

兄弟を比較するのではなく、それぞれのいいところを見つけ、認めて、褒めることが大切です。その結果、兄弟がお互いに尊重し合える関係になっていくはずです。
 

兄弟を比較しながら叱ることも、褒めることも良くない

「お兄ちゃんは上手なのに、〇〇ちゃんは下手だね」とか、「妹の方がしっかりしてるじゃないの。あなたもしっかりしなければ」などと言うと、相手のことを嫌いになることもあります。

また、「〇〇ちゃんは早くて上手だねー。お兄ちゃんは、まだなのにね」などと言って褒めると、弟が兄をばかにするようになります。ですから、比較して、叱ることも褒めることも良くありません。
 

兄弟喧嘩のルールを決めておく

喧嘩自体をさせないよりも、喧嘩をしたときにしてはいけないことをルールとして決めておくといいでしょう。特に年齢の近い兄と弟の場合は、暴力に発展する可能性が高いものです。そのルールは、親が決めるのではなく、兄弟交えてみんなで相談して決めると、守ろうとする気持ちも強くなります。

例えば、
  • 物を投げたり、物で叩いたりしない
  • 噛み付いたり、ひっかいたりしない
  • 顔や頭を叩いたり、髪の毛を引っ張ったりしない
  • 首を絞めたり、おなかを蹴ったり叩いたりしない
などでしょうか。

いかなる理由があっても、ルールを破った場合は、厳しく叱りましょう。
 

姉弟、兄妹のケースでは、特に親の心配りが必要

姉弟の場合、娘より息子をかわいがる母親が多いようです。母親はそのつもりはなく平等に接しているつもりでも、娘自身がそう感じていることが多く、また、はたから見ていても、そう感じられることが多いようです。ですから、この場合、母親は、意識して娘をかわいがるようにするのが得策です。

また、逆に、兄妹の場合、父親は娘の方をかわいがりがちです。この場合も同様で、父親自身気付いていないけれど、息子本人はそう感じている場合が多いのです。父親は、息子が寂しい思いをしないように配慮しましょう。
 

下の子どもが生まれると

新しい兄弟が生まれると上の子に変化があるかも。

下の子が生まれると、上の子どもは母親の変化に敏感になるものです

最後になりましたが、下の子が生まれてすぐの時期に、上の子どもに対して特に気を付けなければならないことがあります。

下の子が生まれると、上の子どもは母親の変化に敏感になるもの。当然、下の子どもの方に手がかかるので、接する回数も増えてきます。

なので、上の子どもは今まで独占できていた母親が下の子どもに奪われてしまったと思い、寂しく感じます。そして、お母さんを振り向かせようと、赤ちゃん返りをしたり、わがままを言ったりすることもありますから、上の子どもをしっかりかわいがってあげましょう。上の子どもの方がかわいがりすぎかしらと思うぐらいでちょうど良いのです。

「妹が生まれたのだから、お兄ちゃんらしくしないと」と言うことは逆効果です。「赤ちゃん返り」のときは思い切り甘えさせてあげましょう。
 

どうしても兄弟喧嘩が収まらないときの親の対応

過度な干渉は禁物ですが、どうにも見ていて喧嘩が収まりそうにないときもあるかと思います。そんなときはきちんと止めてあげるのも大切です。子どもが感情的になっているときこそ、親は冷静に、子どもの言い分を聞いてあげるようにしましょう。その際、兄弟のどちらかを一方的に叱ってしまうのは良くありません。兄弟を比べたり、子どもを突き放してしまうような叱り方も良くないでしょう。なぜ喧嘩してしまったのか、なにかいけなかったのか、をきちんと子ども自身が考えられるように手助けしてあげましょう。

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