古民家レストラン 0467 Hase kamichoへ
0467 Hase kamicho カウンター席
お店の外観は、白い壁や植栽が周囲をかこみ、「お洒落なお店」というのが第一印象。パッと見、築80年以上の古民家だとは気づかないかもしれません。
お店の中に入ると、天井や柱などは元の民家のものをそのまま利用していますが、壁や床などは白と黒を基調にリノベーションされ、木のぬくもりと都会的な洗練が調和した、見事な空間が広がっています。
鎌倉には、古民家を改装したお店がいくつかありますが、そのほとんどは、古き良き「古民家らしさ」をウリにしたもの。その意味で、『0467 Hase kamicho』の空間デザインは、他とは一線を画す、特別なアプローチということができます。
「古民家」に込められた思い
オーナーの加藤さんは、もともと鎌倉のご出身ですが、お店をはじめるまでは、東京でレストランなどの店舗プロデュースをされていたそうです。なるほど、このお店のこだわりの空間デザインには、そのようなバックグラウンドがあったのですね。『0467 Hase kamicho』の前身となる古民家レストランを鎌倉市内の西御門(にしみかど)にオープンしたのは2003年。
今でこそ、古民家を利用したお店がちょっとしたブームのようになっていますが、当時はまだめずらしく、いわば鎌倉の「古民家レストランの先駆け」ともいえる存在でした。
なぜ、レストランをはじめるにあたって「古民家」という素材を選んだのか、ということをお伺いすると、
「鎌倉は、東京からの距離が近く、普段からクオリティーの高いお店に慣れ親しんでいる都会的な人も多く訪れる土地柄。鎌倉が本来持つ、歴史や伝統を活かしながら、そうした人々にも十分に満足していただける洗練された街という『これからの鎌倉らしさ』、『こうあって欲しい鎌倉のイメージ』を表現する場として、古民家を現代的にリノベーションすることが最適でした。
また、他の歴史的な街と同様、鎌倉でも景観破壊が問題になっていますが、もとからその場所にある古民家を再生することは、その場所の『記憶をとどめる』という意味でも意義のあることではないか、という思いもあります。」
とのこと。『0467 Hase kamicho』には、加藤さんの鎌倉を愛する気持ちが込められているのだな、ということが伝わってきました。