ユニークな存在として際立つ、大阪大学人間科学部

大阪大学は2007年、大阪外国語大学との統合を終え、学部だけでみると日本一学生数が多い大学となった。大阪大学約19000人、大阪外大約4800人、合計で2万人を越え、東大よりも190名ほど多い大学となっている。

東大や京大の比べて一見地味な大学に思われることも多いが、実際はかなりユニークな大学なのだ。心理学、社会学、教育学などの分野を統合した「人間科学部」という新しい学部のパイオニアでもあった。

もともと、人間科学部は本来哲学科の内部にあった「心理学講座」と「社会学講座」を融合する形で生まれた学部で、その歴史は意外と古く1972年に開設。大学紛争の嵐が吹き荒れた時期に個別学問に埋没せず、学問を一つの統一した見方から統合して学ぼうとする動きの中から生まれた学部だ。

基本的には、「心理」「社会」「教育」の3分野を統合した構想から生まれた学部で、その目的は文理融合であると言われている。文理融合は学問の一つの理想であり、一専門分野だけにとどまらず、総合的な学問的視点を養うことができる新しい学部として再評価されてもいいだろう。

一般的には、なかなか理解しがたい名称と考えを持つ学部であるが、その目的は崇高で深いと個人的には考えている。大学内部にも、現在の大学研究に横つながりがないという反省があり、統合した一つの「人間」というテーマで個々の学問を統一するのが目的としている。心理学や哲学に興味を持つ人で純粋哲学にとどまらず、様々な角度から学問を深めたい学生にはぴったりの学部だと言えるだろう。