雪遊びの楽しさを存分に伝える『お化けの冬ごもり』

お化けは夏やハロウィンの時期だけに活躍するのではありません。雪国のお化けたちは、冬も元気に雪遊びをしていますよ! 絵本『お化けの冬ごもり』は、目のパッチリした愛嬌たっぷりのお化けたちが、雪国の楽しい遊び、雪のある生活の味わい方を存分に伝えてくれます。


 

はんてんにくるまれた背中を丸め、手までこたつの中に突っ込んだ三つ目の大入道。こたつの上のかごにはみかんがたくさん。一つ目の青坊主は火鉢で餅を焼きながら、手を温めています。こんな懐かしさの漂うほのぼのとした日本の家の冬の光景から、お話は始まります。寒がりの2人のお化けのもとには、雪が降る時期になるとたくさんのお化けたちが遊びにやって来ます。


雪のある生活、どうやって楽しむ?

雪が積もる地方に雪かき、雪おろしは欠かせない大事な仕事。これはかなり体力を使う作業で、雪の降る中、厚着をして帽子をかぶってマフラーをして手袋をして、必死に雪をかいていると、寒いどころか体が熱くなってくるほどの運動量です。しかし、雪国の子どもたちは一生懸命、楽しんで雪かきをします。だってその先には、楽しい雪遊びが待っているのですから!

お化けの中で雪かきが大好きなのは「ひょろけ」。スコップとこすき(木でできたスコップより軽い雪かき道具)などを用意してみんなに雪山作りを呼びかけます。道具の中には、「ママダンプ」とも呼ばれる雪かき道具も見られます。私は「ママダンプ」を初めての北海道での冬を迎えて知ったのですが、これを使うと、女性でも少ない力でたくさんの雪を運ぶことができるということから「ママさんダンプ」→「ママダンプ」という通称で呼ばれているようです。

かまくら

かまくら完成!

お化けたちは、雪で作った山からソリで勢いよく滑り下ります。雪山の壁を作って、敵味方に分かれて雪合戦をしたり、雪山に穴を掘って壁を固めてかまくらを作ったり。ミニサイズのかまくらの中にろうそくを立てて火をともすと、雪景色の中に和風イルミネーションが輝きました!

遊びの途中に、温かい家の中に入って一休みするお化けたちの様子も乙なもの。部屋の中でアイスクリームを食べる雪女はとても満足げ。ろくろっ首は、体は家の中で温まりながら、外まで長い長い首を伸ばして雪ん坊と雪童子を呼んでいます。


楽しい雪遊びの余韻を残すラストページ

お化けの冬ごもり表紙

どのお化けがお気に入り?

まだまだしんしんと降り続ける雪の中、かまくらで鍋物をこしらえたりごちそうを食べて積もる話に花を咲かせるお化けたちは、本当に楽しそう。こんな楽しげな様子を見たら、雪と切り離せないあのお化けも混ざりたくなってしまったようです。その巨大なお化けとは!?

絵本のタイトルの意味が、余韻たっぷりのラストページで明かされます。かわいらしくて愛嬌たっぷりで親しみやすいお化けたちの中に、子どもたちは「お気に入りの存在」も見つけることでしょう。雪があまり降らない土地のお子さんたちも、実に楽しそうに雪深い暮らしを楽しむお化けたちと、絵本の中でたくさん雪遊びをしてくださいね!
 

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