情報強者とは「手帳が真っ白で通帳が真っ黒」の人を指す
私が考える「情弱」とは、なにもインターネットを使いこなせないとか、世界の情報源にアクセスできない、などという表面的なものではありません。ここで紹介している情弱とは、情報に振り回されて精神と時間を消費したり、お金を失ったりする人のことです。そういう意味で考えたとき、最新型のスマホやパソコンを持ち、さまざまなソーシャルサービス、クラウドサービスを利用し、アプリを使いこなし、コワーキングスペースやカフェで打ち合わせし、最先端を走っているように見える人は、本当に情報強者なのでしょうか。
それらツールに費やした金額を上回る収入が得られたなら、確かに情報強者なのでしょう。しかし、もしそうでないとしたら?実は企業のマーケティングのカモになっている、典型的な情弱である、と言えなくもありません。
私が理想とする情報強者とは、「手帳が真っ白で通帳が真っ黒」の人です。
手帳が真っ白ということは、予定がゼロとか、隠居生活をしているという意味ではありません。追い立てられるスケジュールが少なく、すべての予定を自分で決められるということ。会う人も厳選しているため、ムダな面会や打ち合わせもないということです。
通帳が真っ黒というのは、入金も出金も多く、通帳記帳すればやたらと時間がかかり、1冊の通帳をすぐに使い切る状態です。反対に、入金は毎月1箇所から1回だけとか、出金(引き出し)も25日とか、その後1万円や2万円の引き出しがちょぼちょぼある、あるいは1冊の通帳を使い切るのに数年を要するというのが、ここで言う「通帳は真っ白」という意味です。
通帳が真っ黒なのはつまり、道具であるお金を最大限に活用しているということです。「手帳が真っ白で通帳も真っ白」なら、ただのヒマな人。自由だけれどお金もない。
「手帳が真っ黒で通帳も真っ黒」なら、人生がめちゃくちゃ充実している人。しかし、お金と引き換えに自分の人生を切り売りしているだけの可能性もあります。
「手帳は真っ黒なのに通帳が真っ白」だとすると、完全に誰かの搾取システムに組み込まれてしまっている可能性を疑ったほうがよいでしょう。
今すぐ手帳と通帳を並べて、自分が満足できるバランスになっているか、比べてみましょう。私はまだまだ満足できていませんが……。
(参考)
「貧乏人が激怒する ブラック日本の真実 情弱一人負けの時代を生き抜くヒント」(光文社)