睡眠は妊娠しやすさに影響するのか?

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最近、寝不足気味ではありませんか?

最近、不妊治療の方と話をする時に必ず聞くことがあります。それは「夫婦共によく眠れていますか?」という質問です。

先日も40代後半の男性の友人から、子供をなんとか授かりたいと相談を受けたのですが、その会話の中に「最近、睡眠時間は取っているけど疲れが取れなくて」という発言がありました。精液検査では精子数と運動率も悪い様子で落ち込んでいました。しかし、日々の生活を聞いていくと、いびきはひどいし、お昼時間に急に眠気が来るという典型的な症状が出ていました。どうやら睡眠時無呼吸症候群のようです。

このような場合、間違いなく眠っていても脳は眠っていません。呼吸がつらいので脳はずっと働き続けており、朝の目覚めが極めて悪いということになります。そこで睡眠時無呼吸症候群に詳しい耳鼻咽喉科への受診を勧めました。いびきがひどいと奥さんも眠れないですからね。

このような妊活時の睡眠の質の低下については意外と皆さん無頓着なケースが多いのです。

今年、私は歯科医師の相田能輝先生(相田歯科クリニック院長)の本をプロデュースさせて頂きました。「医者は口を診ない、歯科医師は口しか診ない」という書籍ですが、アマゾンランキング歯の部門で第一位になった本です。その中に口呼吸、鼻呼吸の話が出てきます。

人間は通常、カラダの仕組みが鼻呼吸するようになっています。しかし、鼻炎や風邪の時のように鼻が詰まったり、歯並びが悪かったり、口呼吸の癖がついている人はどうしても眠っている時に口呼吸になってしまうそうです。そして、脳が休まらずに次の朝を迎えてしまいます。

そういう状況の方がかなりの確率で存在しているというのです。その本の中では妊娠への影響については言及されていませんが、睡眠の質に影響することは、ひいては妊娠率に多少なりとも影響していると思われます。

不妊治療情報サイトの「妊娠しやすいからだづくり」で睡眠と妊娠についての文献を解説されていたので、こちらでもその内容をご紹介致しましょう。

睡眠時間・睡眠の質と男性不妊の関係

まずは男性から。

2013年4月のAmerican Journal of Epidemiologyで「睡眠障害は精液の質の低下に関係する」論文が発表されました。

2008年1月から2011年6月の間にデンマークの徴兵検査を受けた953名の男性を対象に、過去4週間の睡眠パターンから睡眠の質を測定するアンケート形式の調査(the Karolinska Sleep Questionnareを受けてもらい、精液検査の結果との関連性を調べました。

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深く心地よい睡眠が妊娠力を向上させます

その結果、睡眠障害のレベルと精子濃度や精子数、運動率、正常精子形態率、精巣サイズは逆U字型の相関を示し、睡眠障害スコアが最も高かった(50以上)男性は、精子濃度で29%、正常精子形態率で1.6ポイント、睡眠障害スコアが11~20の男性に比べて低いことがわかりました。

よく眠れないことは精子の質の低下に関連していましたが、反対に、よく眠れ過ぎても精子の質の低下と関連していました。

興味深いのは、睡眠の質が低いと、精子の数や正常な形態の精子が少ないというのは理解できますが、反対に、睡眠の質が高すぎても、多少は低くなることで、睡眠障害スコアと精液の質が逆U字型のグラフになることです。

また、睡眠障害スコアと生殖関連のホルモン分泌には関連は見られなかったとしています。