先日、竹内久美子さんの『女の唇のひみつ』を読んでいたところ、動物行動学の視点から不妊対策についての記述がありました。10個の方法が紹介されていましたが、中でも最も興味を持ったのがニューヨーク大停電の時のお話です。詳しくご紹介しましょう。

ニューヨーク大停電が残したものとは?

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ニューヨークの夜景。これが漆黒の闇になったわけです
1965年11月9日、午後6時(現地時間)、ニューヨークを中心とするアメリカ北東部、そしてカナダにかけての一帯が突如停電に見舞われました。復旧には随分時間がかかり、結局3000万人以上の人々が真っ暗闇の中で一夜を過ごした。その間、刑務所では暴動が発生、商店は略奪のターゲットになるなど一大パニックが発生したのです。

この大停電自体が凄いハプニングだったわけですが、誰も予想だにしなかった出来事が270日後に待っていました。
 
それは……。なんと妊娠した人が急増して、ニューヨークの産院が全部満員になってしまったこと。

これほどの出産ラッシュとなるためにはまず、人々が暗闇の中にも拘らず性交渉を行ったという事実がなくてはいけません。いつもより高い頻度で行なわれたのではないかと考えられます。

それからもう1つ。この現象には実は、パニックや大きな不安、恐怖によって女が思わず、予定外のタイミングで排卵してしまうという事実が加わっているのだと竹内氏は本の中で書かれています。

このニューヨークの大停電のとき、ある女子学生は真っ暗闇の大通りを歩きながら、うっとりしてこう叫んだと言います。「This is exciting!」と。ハプニングは人の心と身体を興奮させる作用があるのだと考えられます。


停電以上の恐怖下でも妊娠率は高まる?

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現在のパールハーバー。飛行機からも見えますよね
時をさかのぼって、同じような現象が日本軍による真珠湾攻撃のときにも起こったそうです。「パールハーバー」から然るべき日数がたったとき、アメリカ全土で出産ラッシュがあったのです。戦争勃発という大きな不安が女の体に働きかけ、おそらくは興奮させ、予定外の排卵を引き起こしてしまったのではないかと考えられています。

次のページでは、もう1つのビッグな事例をご紹介致します。