ゲンダイ
ガイド:『ゲンダイ』(2013年)にも好きな曲が多いので、どれについて訊こうか迷ってしまいますが、やはりタイトル曲の「ゲンダイ」の世界に惹かれます。フィボナッチ数列を歌詞にしてしまうフレネシさんは、理科系なんですか?
ゲンダイ (amazon.co.jp)
文系です。数字には興味がある程度で、得意とは言い難いです。
ゲンダイ (YouTube)
ガイド:
そして「ピュアシャンプー」は脳内リピートするキラーチューン。実際に某社が1979年から売っていたシャンプーのブランド名ですよね。CMソングの権威でも何でもありませんが、こんな曲でCMをされたら、乙女でなくても、思わず買ってしまいそうです。うちの会社にもフレネシさんにCM曲を依頼してほしいものです。実際に依頼はないのですか?
フレネシ:
依頼があればぜひ作ってみたいですね。どちらかというと、8小節程度の短い作品を作る方が得意なので…。
ピュアシャンプー (YouTube)
ドルフィノ
ガイド:では、発売されたばかりの『ドルフィノ』(2013年)について。先ずは、『キュプラ』以降から統一されたアートワーク。ぶれない姿勢、大好きです。このジャケの女の子はフレネシさんと考えて良いのですか? イラスト自体もフレネシさんによるものなんですよね。
ドルフィノ (amazon.co.jp)
はい、イラストは自分で描いています。自分の似顔絵のつもりではなかったのですが、髪型が何となく似ているためか、同一と見られることが多いですね。人の印象は9割方髪型で決まるということでしょうか。
ガイド:
髪型には主張が感じられることも多々ありますから、そういう意味では印象を作る上では重要ですね。
『ドルフィノ』は、デビュー作『Landmark Theater』から8曲、コンピ・7”から3曲、新曲3曲という構成になっていますが、デビュー作は、京都のBAMBINI RECORDSからリリースですよね。フレネシさんは、関西じゃないですよね。どうして京都のレーベルと繋がったのですか?
当時レコード屋さんで販売していたカセットテープを友人がレーベルに送ってくれたのがきっかけで、リリースのお話をいただきました。
ガイド:
クレジットを見て気づいたのですが、ミキシングは田中友直さんですね。関西なので、時々お会いします。振り返って、初レコーディングでの苦労話とかあれば、教えてください。
フレネシ:
レコーディングの翌月に東京に引っ越すことが決まっていて、2週間しか時間がない中で素材を録り溜めなくてはならず…。デモに近い音をできるだけ忠実に再現するのが主な作業でした。
ガイド:
シングルカットもされた「au citron」が大好きです。派手な曲ではないのですが、サンバのリズムにのってウィスパーヴォイスが心地よく入り込んできます。ちなみにこのシングルのジャケ(持っていませんが)も大好きです。ボサノヴァやサンバにはどのように出会ったのですか?
小学生の頃、電子オルガンで習ったのが最初です。それから、姉がジョアン・ジルベルトのCDを借りてきたのを聴いて「曲と声がすごい」と思ったのを覚えています。それらが売れ線のポップスやロックよりも身近だったため、曲を作る中で自然とこういった作品になりました。