2.0Lガソリンなら余裕十分
ハッチバックに用意される2.0Lガソリンは、最高出力155ps/6000rpm、最大トルク196Nm/4000rpmで、日本仕様は6ATのみ。試乗したのは左ハンドルの6MTだったため参考程度だが、当然ながらパワーを使い切ってより回して走らせる1.5Lよりもアクセルを踏み込む必要はなく、余裕十分の走りを享受できる。高速域の伸びも爽快で、ディーゼルとは違ったスポーティな雰囲気に満ちている。1.5Lのガソリンは街乗り中心、2.0Lのガソリンはロングドライブの多い人向けだろうが、2.0Lガソリンの220万5000円~243万6000円という価格帯は、2.0Lハイブリッドで「免税」の237万3000円~262万5000円と価格が近いだけに、どれだけの販売比率になるか興味深い。
注目のハイブリッドの走りは?
ブラックを基調とし、加飾パネルをほどよく使った落ち着いた雰囲気。中央最上部に「マツダ コネクト」用の7インチセンターディスプレイ、メーターの奥にヘッドアップディスプレイを配置する。センターディスプレイはコンソールのコマンダーコントロールで行う
先の2.0Lガソリンとハイブリッド用の2.0Lガソリンは別モノで、排気の一部を吸気に戻すクールドEGRを採用し、14.0という圧縮比を実現している。1.5Lと2.0Lの圧縮比は13.0だから、燃焼効率もより高められているわけだ。
エンジンはまったく違えど、スペックもハイブリッドシステムも同じだから走り出しからしてプリウスによく似ている。ただし、電気式無段変速機の「SKYACTIVE-DRIVE」は、ロックアップ領域が82%に達するのが自慢で、MTのようなダイレクト感と加速の気持ちよさを実現しているという。
高回転域でも回せば意外と速いのはプリウスと同じだが、シフトフィールは確かに謳い文句どおりマツダらしい気持ちよさを味わえる。プリウスと違うのは、エンジン始動時の音振動がより抑えられている点で、ストップ&ゴーの多い街中では新型アクセラの方が静かで、乗り味も低速でバタバタするプリウスよりも落ち着いていて好感が持てる。
ただし、2.0Lガソリンのハッチバックと比べると、トランクがあるだけリヤが重く、旋回時の軽快感はハッチバックには及ばない。車両重量も80kgも重いからドッシリした乗り味になるのは当然だろう。
ちなみにこのクラスの日本車の多くは、プリウスだけでなく兄貴分のアテンザでもそうだが、妙に足の動きが渋くストローク不足を露呈するモデルが多いが、少なくても今回の試乗では感知できなかった。
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