注目されるプラナカン文化
ペナンにある「ピナン・プラナカン・マンション」。1万点を超えるコレクションが展示
見惚れるほど繊細な手仕事の工芸品、いにしえの贅沢な暮らしを偲ばせる絢爛豪華な屋敷、そしてスパイスを丁寧に扱うことで、辛みと旨みを見事に調和させた魅惑の料理……。独特な世界観を持つプラナカン文化は、日本でも研究書籍が出版されて話題になり、最近ではTV番組でも取り上げられるほど注目されている存在です。
プラナカンとは
プラナカン屋敷は、中国、マレー、西洋の建築様式を見事に調和させている
プラナカンとは、15世紀に中国からマレー半島に移住した中国人の子孫のこと。現地で暮らす女性と結婚し、独自の文化を築きあげました。多くがマレー系の女性と結婚したため、ときに“プラナカン=中国人とマレー人のミックス”と表現されますが、正確にいえばマレー系以外の人と結婚することもあったそうです。3代目ぐらいからプラナカン同士で結婚するようになり、最近では、プラナカンと中国系マレーシア人が結婚することがほとんどで、マレーシアの中国系文化に同調してきているようです。
また、プラナカンの男性のことを「ババ」、女性のことを「ニョニャ」とよびます。おそらくポルトガル語に由来があり、ババはSirの意味だとか。女性が料理を担当していため、プラナカンの料理のことを「ニョニャ料理」とよびます。
プラナカンが住んでいる地域
マラッカの「ババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館」。玄関からは想像できない奥行きの広さ
プラナカンは、「海峡植民地」としてイギリスがマレー半島を支配していた時代に、貿易やゴム・プランテーションなどのビジネスで富みを築きました。そのため、イギリスの植民地であった
ペナン、
マラッカ、そして
シンガポールの3つの土地に、プラナカンのコミュニティがあります。
それでは、プラナカンの特徴的な文化について具体的にご紹介します。それぞれにオススメの店舗情報を記載していますので参考にしてください。
繊細な刺繍の入った女性のシャツ、ニョニャ・クバヤ
ウェスト部分の刺繍に注目。職人が熟練の技でほどこす刺繍は果物やフラワーなどの南国ならではのモチーフ
透け感のあるレースの生地に、繊細な刺繍がほどこされた女性用のシャツ。その美しい刺繍は“着る宝石”とも称されています。体のラインにフィットするスリムなデザインで、手首につけたブレスレッドが見えるように袖丈は短め。伝統衣装といえども、今もなお、パーティーや結婚式などのお洒落着として着用されているアイテムです。インドネシア製の巻きスカート(サロン)に合わせるのが定番ですが、最近では、ジーンズや普段のスカートの上にサラッと羽織っている人もいます。
マラッカの店舗情報 >>
マラッカのお土産
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Kim Fashion(キム・ファッション)/ペナン
住所:170-4-77, Gurney Plaza, Persiaran Gurney, 10250 Penang
営業:10:00~22:00
電話:+60(4)226-6100
※マレーシアで人間国宝にあたる称号をもつクバヤ・テーラー、キムさんの店。現在、娘のイエンさんは日本で活躍中。