新築マンション/マンションニュースの読み方

マンションクイズ、空間の違いを探せ(2ページ目)

構造や開口部といった住まいの要となる箇所は、住み心地に大きな違いをもたらす。ところが、現地で説明を受けても、瞬時に理解できない人も少なくないのでは。これは一度に見比べられることができない不動産の特性。まずはWEB上で「どれだけ違いがわかるか」チャレンジしてみよう。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド


Q1.一般的な「開放廊下」との違いを挙げよ。

ザ・パークハウス鎌倉二階堂

ザ・パークハウス鎌倉二階堂

右の画像は、「ザ・パークハウス鎌倉二階堂」1階の開放廊下を撮影したもの。この画像から、一般的なマンションとの違いを想像していただきたい。具体的にココが違うという点をできるだけたくさん挙げてみよう。クリックすると拡大します。

さて回答は、居室側のアルミ格子。手すり(左)側の柱。天井の照明。床シートの模様。それぞれの説明に入る前に、建物の状態を解説する必要があるだろう。状態とは、道路との位置関係である。所在地名でもある「二階堂」という名称は(現存しない)「永福時」に建立した御堂が由来。駅や鶴岡八幡宮からの参道に位置する前面道路は、その跡地や覚園寺へのルートであることから、通行人に室外機などを露わにすることを避けたかったのだと推察する。

縦格子の効用は、真正面からは互いが見えるが、少しでも角度が違えば隠れられるところ。道行く人の目線から(一瞬を除けば)プライバシーも守り、景観を損ねない。デザインの一貫性を保つため、スレンダーな柱を多用、床のビニルシートまで統一した。普通なら天井の真ん中にある照明も格子のてっぺんに置き、雰囲気を出している。

Q2.この窓の特長とその理由を挙げよ。

ザ・パークハウス鎌倉二階堂

ザ・パークハウス鎌倉二階堂

次の画像はリビングダイニングから屋外を撮ったもの。一般的なマンションとの違いは何かをお答えいただきたい。具体的にはメリットになるわけだが、その背景にある理由もお考えいただきたいと思う。

回答は、大きな窓。天井近くまで広がったハイサッシュはもとより、壁(左)一杯に開口している点にもご注目。山の連なる景色が、まるで額縁に収まった絵のように見える。

設計上の背景としては、柱や梁の出ない壁式構造を採用していること、空調設備の配管や換気(給気)口のための袖壁がないこと、そしてバルコニー手すりを共用廊下同様縦格子にしたこと。こちらも厚みがあるため、斜め方向からのプライバシーは確保され、その点では昨今流行りのガラス手すりとの違いを考慮したものと思われる。洗濯物は干せる規約である。

壁式構造で作られた室内は、家具の配置がしやすく、壁に飾る1枚の絵も様(さま)になる。梁のない空間は本当に心地よいが地震の多い土地柄ゆえ、壁式構造は(免震でない限り)一般的には5階建てが限度と言われている。

【関連記事】
免震と制振の基礎知識<番外編>


  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます