映画/おすすめ映画

『清須会議』と今見るべき群像劇ベスト5(4ページ目)

三谷幸喜監督作『清須会議』は三谷監督お得意の群像劇です。そこで今回は「群像劇」特集!『THE有頂天ホテル』『ロック、ストック&トゥ・スモーキング・バレルズ』『ゴスフォード・パーク』など、国内外の作品を集めてみました。

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

アガサ・クリスティ風エレガントなミステリー群像劇


『ゴスフォード・パーク』(2002年度作品)

イギリス郊外のカントリーハウスで起こる殺人事件をめぐるミステリータッチの群像劇で『ザ・プレイヤー』など群像劇の達人ロバート・アルトマン監督作。

アルトマン監督はショービジネス界や普通の人々などを斜め斬りで描いてきた巨匠。今回も貴族社会を風刺するような作風ですが、本音を見せないでけん制しあう貴族たち、彼らの噂話に高じる使用人たちの会話に殺人事件を解く鍵があるかもと探りながら見る……というのがミステリーファンの見方でしょう。だって、アガサ・クリスティの原作ではないけど、ザ・クリスティ的な世界が目の前で繰り広げられているのだから。

また貴族と使用人の関係性が細かく描かれているのも、この映画の特徴。使用人はご主人様の行動の先を見ていなければいけないので、観察眼が鋭いのですね。使用人が貴族を評価する嫌味な一言など怖いわ~。殺人のミステリーと人間ミステリーがミックスされて、さすが名匠の作品、厚みがあります。

この映画を見た後は『オリエント急行殺人事件』など、クリスティ映画を見たくなるかもしれない。そういえばアガサ・クリスティ映画も群像劇ですね。

監督・原案:ロバート・アルトマン
出演: マギー・スミス、マイケル・ガンボン、クリスティン・スコット・トーマス、ボブ・バラバン、カミーラ・ラザフォード、チャールズ・ダンス、ジェラルディン・ソマーヴィル 、トム・ホランダー、ナターシャ・ワイトマン、ジェレミー・ノーサム、ジェームズ・ウィルビー、クローディー・ブレイクリー、ライアン・フィリップ、トレント・フォードスティーヴン・フライ、ケリー・マクドナルド、クライヴ・オーウェン、ヘレン・ミレン、 アイリーン・アトキンス、エミリー・ワトソン、アラン・ベイツ、デレク・ジャコビ、リチャード・E・グラントほか

※次ページは、気鋭の監督による傑作ラブサスペンス!

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