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日本のゲームを阻む、規模の壁(3ページ目)

日本のゲームが海外で売れない、という話は随分前から聞くようになりました。そしてその理由についても。日本と海外の趣味嗜好に違いがあるからであるとか、技術力に差があるから、とか。しかし、最早、文化や技術の差などよりも、もっともっと大きないかんともしがたい壁が、日本のゲーム業界には立ちはだかっているのです。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

非常に厳しい、次世代の「テレビゲーム」

コール オブ デューティーの図

コール オブ デューティーシリーズなど、もう日本でもおなじみと言えるタイトルです(イラスト 橋本モチチ)

おそらく今後、売れるゲームと売れないゲームの差はさらに大きくなり、一部のトップクラスのタイトルはさらに開発規模を大きくし、その開発費を賄うためにさらに大規模な広告宣伝活動を行い、そしてより大きなビジネスにするという方向に進んでいくでしょう。まるでハリウッド映画のようです。

では、日本の据え置きハードの市場はどうなるでしょうか? 環境はより厳しくなると考えられます。日本の市場は携帯ハードが主流になる中で据え置きハードの市場は縮小傾向、しかし次世代ハードが登場となれば開発費は高くなるばかりです。

メーカーはリスクを回避するために確実に数字が見込めるコンテンツを厳選し、リリースタイトルは減少傾向。小さい市場を少ないタイトルで取り合う状況の中、売れるゲームと売れないゲームの差はさらに大きくなっていきますが、その売れるゲームの中には、海外のタイトルも含まれているのです。GTAVがまさにそれですね。

「コール オブ デューティー」シリーズや「アサシン クリード」シリーズなど、日本のコアゲーマーならおなじみになった海外タイトルというものがいくつかあります。これら海外の人気タイトルには、ゲーム業界で自主規制を行うCERO(セロ)による基準で、18歳以上のみを対象とし、過激な表現も含まれる「Z」指定タイトルも多くなっています。

そういう意味では、これが簡単に100万本、200万本と成長するとも考えにくいのですが、一方で、Z指定でありながらGTAVが50万本の大台に到達したというのは、やはり日本における、いわゆる「洋ゲー」の市場が拡大しているということを感じさせます。据え置きハードの市場は縮小傾向にあるにもかかわらず、です。

国内と海外の市場規模のギャップは、コンテンツの規模に反映され、海外進出はままならず、国内市場の拡大も簡単には見込めず、むしろ大型化した海外コンテンツの流入の方が増えだし、国内ソフトメーカーの据え置きハード向けゲームはいかんともしがたい状況に追い込まれています。

いよいよ2014年には次世代機が揃って、これからどんなゲームが登場していくんだろうという、ゲームユーザーにとってはワクワクするタイミングでは有りますが、据え置きハードにおける次世代機のゲームビジネスは、今よりもさらに厳しいものとなりそうです。

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