年金/障害年金の仕組み

障害年金の請求には「初診日証明」が不可欠!

障害年金の請求には必要な書類がいくつかあります。その中の1つが、「初診日」の証明書類。この書類は障害年金を請求する上で非常に重要なものです。今回は「初診日」についてご紹介します。

執筆者:音田 大志

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初診日がいつなのかわからなければ請求もできない!?

障害年金を受給する上で、「初診日」はとても重要な日付

障害年金を請求する上で、「初診日」はとても重要な日付

「初診日」とは、障害の原因となった病気やケガについて、はじめて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。同一の病気やけがで転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日が初診日となります。

「初診日はいつなのか?」が証明されなければ、障害年金は原則として請求することができません。その理由は2つあります。

1つは、障害年金を請求するには納付要件がある、ということです。納付要件とは、年金保険料をちゃんと納めていたかどうかの要件です。ちゃんと納めていれば請求することができ、納めていなければ請求することができません。この納付要件の判定期間の基準日が「初診日」です。具体的な納付要件は以下の通りです。

(1)初診日の前日に、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること

(2)上記(1)に該当しない場合でも初診日が平成38 年4 月1日前であって初診日に65歳未満の場合は、初診日の前日に、初診日の属する月の前々月までの直近の1年間に、保険料の未納期間がなければよいこと

以上のように、初診日がいつなのかわからなければ納付要件をクリアしているかどうか判定できず、請求自体ができないのです。

もう1つは、障害年金は原則、初診日から1年半経過した日以後でなければ請求できないという点です。初診日がわからなければ、1年半経過しているのかどうか判定できないため、請求ができません。

このように、初診日は障害年金の請求にあたって大変重要な日であり、この日が明確にわからなければ、どんなに重い障害を抱えていても請求自体が不可能なのです。

また、障害年金は「障害認定日請求」と「事後重症請求」という2つの請求方法があります。「障害認定日請求」は、障害認定日時点での障害の状態を審査してもらう請求方法で、「事後重症請求」は現在の障害の状態を審査してもらう請求方法になります。

これらの審査に必要な書類は、前者の場合、初診日から1年半経過した日以降3カ月以内の診断書。後者の場合は、障害年金請求日以前3カ月以内の診断書です。

このことから、障害認定日請求をする場合、初診日がいつかわからなければ適正な日付の診断書を揃えることができません。よって初診日を明らかにすることは避けては通れないのです。

次ページでは「初診日」の証明方法について解説します>>>
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