不動産売買の法律・制度/不動産売買ワンポイントアドバイス

マンションの隣地に要注意

マンションを購入するときには、隣地の様子もしっかりと確認しておくようにしましょう。とくに中高層マンションが建つエリアでは、隣地にも高い建物が建つことが多く、日照や眺望が遮られることも少なくありません。現在の状態だけでなく、将来のこともしっかりと考えてみることが大切です。

執筆者:平野 雅之

【不動産売買ワンポイントアドバイス No.022】

マンション隣地の建築計画

マンションの隣が空地や古い建物なら、何かが建つと考えるべき


マンションを購入するときには、隣地、とくに南側の敷地についてしっかりとチェックをしたいものです。南東側から南西側にかけて、広い道路や公共の公園などになっていればあまり心配はないでしょう。しかし、空地だったり低い建物だったりする場合には、将来的に高い建物が造られ、現在の日照や眺望が遮られることも考えなければなりません。とくに駅に近く利便性の高いマンションは商業地域に立地していることが多く、日照の保護はほとんど考慮されないのです。

最近では全国的にガソリンスタンドが減少しています。車の利用者が減少していることやエコカーの普及によって、もともと需要が減退しているのに加え、2011年に施行された改正消防法がガソリンスタンドの減少に拍車をかけています。経済産業省資源エネルギー庁の調べによれば、平成6年度末に全国で60,421か所あったガソリンスタンドは、平成24年度末に36,349か所まで激減しているようです。その跡地は幹線通り沿いなど、立地条件が良いことも多いため、そこへ新たにマンションが建てられるケースも少なくありません。

また、平成27年の相続税改正による課税強化に備えて、賃貸マンションを建てるケースも増えています。これまで長年にわたって空き地のままだったり、月極駐車場になっていたりした土地で、急に建設工事が始まることもあるでしょう。南側の隣地が低層の木造アパートや一戸建て住宅の場合には、現状よりも高い建物へ建て替えられることも十分に考えられます。

売買契約の時点で隣地における建築計画などが明らかになっていれば、その内容が重要事項として説明されるはずです。ところが、まだ決まっていない建築計画については、不動産業者や宅地建物取引主任者が説明をすることはできません。南側が道路や新しい建物などでない場合には、「隣地にいずれ何か建つ、建て替えられる」ということを前提に、最大でどの程度の建物が建つのかを推測してみることも大切でしょう。


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