慶應義塾幼稚舎、その教育理念は「独立自尊」
原則として全員が希望する系列校へ進むことができ、ほとんどが慶應義塾大学へ進学
系列校として中学校では慶應義塾普通部・中等部・湘南藤沢中等部の3校があり、高等学校では慶應義塾高等学校・女子高等学校・志木高等学校・湘南藤沢高等部・ニューヨーク学院(高等部)の5校、そして慶應義塾大学があります。原則として全員が希望する系列校へ進むことができ、ほとんどが慶應義塾大学へ進学します。
福澤諭吉の考えに基づき、体育活動に力を入れる
幼稚舎の教育の特色として、文化・芸術・体育、各分野にわたる多様な学習活動があげられます。たとえば、夏の水泳指導。卒業までに全員が1000m完泳をめざして授業などで練習に励みます。水泳と並んで体育教育の目玉となっているのが冬(3学期)の縄跳び記録づくり。前回し、後ろ回しなど種目別に目標が定められ、みんなで挑戦します。幼稚舎が体育活動に力を入れるのは、やはり福澤諭吉の考えに基づくもの。その考えは「先ず獣身を成して後に人心を養え」という福澤諭吉の言葉に端的に表されています。
すべての活動は「独立自尊」につながる
文化・芸術活動として、学年末の2月下旬に開かれる全校参加の学習発表会(文化祭に相当)、夏休み明けの作品展、12月上旬に4~6年生が参加し合唱を発表する音楽会など目白押しです。こうした活動の大きな狙いは、子どもが仲間とともに楽しみ適度に競い合いながら、自分の得意なことや興味・関心を見つけること、そしてチャレンジ精神や自信を育むことにあります。言い換えれば、「独立自尊」の人を育てるための活動といえるでしょう。
学びの特徴、それは「6年間担任持ち上がり制」
学級運営上の特徴として、6年間担任持ち上がり制をとっていることにも注目。児童には6年間の日々の共通体験により、一生の友、一生の恩師の出会いの場となってほしいとの願いがこめられています。担任の裁量が大きく、教科書は同じでもクラスごとに教材や教え方、進度が異なります。音楽や造形・絵画、英語・情報・習字などは専任教員が担当する教科別選科制を採用。これによって複数教員の目から子どもを見守り、育てるということができるようにしています。こうした教育に適応する子どもとは、自主性や自立心、積極性のある子ども、加えて体力・運動能力、コミュニケーション能力、創造性などをもった子どもといえます。