ルノー/ルーテシア

国産コンパクトとは別次元の新型ルーテシア(2ページ目)

本国ではクリオの名で親しまれているフレンチ・コンパクトであるルノー・ルーテシアが新型にスイッチし、待望の日本上陸を果たした。スポーティなエクステリアと走りが身上だ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

走りこそ真骨頂

ルノー・ルーテシア・インパネ

ピアノブラック調のセンターパネルが印象的で、チルト&テレスコピックは全車に標準。オートエアコンだが、若干フロントウインドウが曇りやすく、温度調整などにやや不満を感じた

内・外装ともに個性は十分だが、走らせてみるとその完成度の高さには驚かされた。プラットフォームは先代からのアップデート版ではあるものの、ステアリングを一度操作すればそこに妙な人工甘味料のような不自然さはないし、タイヤがどこを向いているのか分からないような軽さもない。

パワステの手応えは国産コンパクトカーよりも重めだが、女性でも慣れてしまえば重くは感じないだろうし、速度域を問わず狙ったラインをトレースできるから、「運手が上手くなったかしら?」と思うほど、ステアフィールは自然ですっきりしている。

さらに、ステアリングの取付剛性も高く感じられるから安心してドライブできるし、切り始めてしまえばクイックなギアレシオになっているからワインディングなどを飛ばしても、ファン・トゥ・ドライブをかなり満喫できる。

パワーは必要十分以上

ルノー・ルーテシア・シフトレバー

トランスミッションは2ペダルMTのDCTのみ

パワートレーンは1.2Lの直列4気筒ターボで、120ps/190Nmのパワー&トルクは必要十分、いやそれ以上に感じる。国産コンパクトカーの大半が70~100psで、高速道路は120km/hくらいが音・振動を含めた快適性も考えると限界なのに対して、高速道路ではそれ以上の速度域でも十分快適に巡航できそうなポテンシャルを秘めている。また、操舵という点でも、そうした速度域でも絶大な安心感が得られる予感に満ちている。

さらに、日本に上陸したルノーでは初のゲトラグ製「DCT」も注目だ。すでにポルシェやフォードなどの欧州車で実績があるだけに大きな問題はない。

日本のATやCVTに慣れていると、極低速域での唐突なトルクのつながりなどを感じ、ゆっくり駐車する際などは慣れが必要だろう。「ECO」モードにすると次々にシフトアップされるのと同時に、トルクの段付き感も若干出てくるが、たとえば新型フィットがハイブリッドに搭載したDCTと比べても、全体の洗練度では若干上に感じたほど。

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