中学受験/中学受験の心構え・基礎知識・トレンド

有名大でもフリーター?中学受験、その先を考えよう(2ページ目)

中学受験は、決して有名な大学に入るためだけにあるものではありません。大切なことは、志望校に合格してからどうしたいのか、先の展望も持っていることなのです。せっかく中学受験をして有名大学に入っても、将来はニートやフリーターでは報われません。そうならないために大切なこととは。

伊藤 敏雄

執筆者:伊藤 敏雄

学習・受験ガイド

中退なんてことにならないためには?

関連書籍、「中学受験という選択」は、中学受験を控える親には一読の価値あり。

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そうならないためにはどうしたらよいでしょうか。まずは、学校説明会やオープンスクール、文化祭などに積極的に参加して、その学校の校風をよく知ることです。また、可能な限り在校生や卒業生に直接話を聞いてみましょう。パンフレットには載っていない、生きた情報が手にはいるはずです。

もう一つは、わが子の長所と短所をよく理解して、その子に合った学校を見つけることです。

高校受験でしたが、私の教え子でこんな生徒がいました。英語が最も得意だったその子は、真面目すぎるほど真面目な女子生徒で、どの教科も頑張りすぎるほど勉強を頑張る子でした。難関の公立高校が第一志望でしたが、その高校は難関大学へ多くの合格者を出す一方で、課題の量が多く詰め込み教育で有名でした。たとえその公立高校へ入ったとしても、その後、課題の多さにつぶれてしまう可能性が高かったので、国際理解に力を入れている、ある中堅の私立高校を受験することを薦めました。

結果として、その子は、その私立高校へ進学して、1年間の海外留学を経験し、英検準1級を取得するなど、個性を生かした、のびのびとした高校生活を送ることができました。そして、筑波大学へ推薦で合格するという快挙を成し遂げました。

英語教育に力を入れている、理数系教育に力を入れている、部活動に力を入れている、交換留学制度がある、系列の高校や大学から出張授業があるなど、合格実績以外にも志望校を選ぶ基準はたくさんあります。特に系列校がある場合、その系列校へ進学するのにどれだけ有利かという目先のことよりも、系列校で授業を受けられたりゼミを体験できたりといった、中高の連携や中高大の連携があることの方がメリットだったりします。

最近では、プレゼンやグループワーク、大学の研究室体験などを行っている中高校がたくさんあります。志望校に合格した後、どんなことをしたいのか、どんなことができるのか。そこまで考えた志望校選びこそが、合格した先のことを考えた志望校選びなのです。

このようにいろいろな視点を持って、子どもの個性にあった志望校を選べるようにしたいものですね。
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