行政書士試験/試験対策・勉強本の選び方

行政書士試験 行政法の記述対策(2ページ目)

行政書士試験では、40字の記述が出題されます。平成18年に試験制度が変わってから、毎年、行政法1問・民法2問の記述式問題が出題されています。受験生の中には、この記述が苦手な方が多いのです。そこで、今回は、行政法の記述対策についてお話をしたいと思います。

山本 直哉

執筆者:山本 直哉

行政書士ガイド


行政法記述式の「論点抽出」について

「何を書いたらいいかわからない」、問題文をみてそう思った方は、論点抽出ができていない証拠です。また、「解答をみたら、その知識は知っていたけど、問題文を読んで思い浮かばなかった」という人も同じです。問題文から論点を抽出できていません。

そういう人はどうすればいいのでしょうか?

論点抽出とは、問題文の文章から自分の持っている知識を引き出すことです。簡単に言えば、「連想ゲーム」です。そこで、対処方法としては、普段の勉強でできることは、「知識の具体例」を思い浮かべることです。そうすれば、問題文(具体例)から知識をつなげることができます。さらに具体例の中でキーワードを探しましょう。すると、具体例の違いがわかるようになり、より効率的に暗記できます。

もっとも、行政法の場合は、論点抽出はあまり問題になりません。それは、過去問をみればわかります。前述した定義型問題は、何を書いていいかわからないことは少ないと思います。平成23年の問題は少し難しいかもしれませんが、それでも答えに結び付けられます。また、訴訟選択型問題は、平成24年に出題されていますが、これも簡単に答えに結びつけられます。

なお、訴訟選択問題を苦手にする人が多いのですが、客観訴訟、形式当事者訴訟は、法定された場合しか訴えの提起ができませんから、その法律を覚えればいいのです。実質的当事者訴訟は、判例を押さえれば十分です。いずれにせよ、ひとつの訴訟で要求される具体例は3個前後です。大変ではありません。

行政法記述式の「答案構成」について

答案構成とは、簡単に言えば、下書きです。司法試験など論文試験のある国家試験では、普通、答案構成をしてから、答えを書きます。行政書士試験では、配点基準となるキーワード(通常は、2~3)、キーワードをつなぐ接続詞(かつ、又はなど)の確認、形式論(「何と呼ばれ、どのようなことか」という場合は、「~と呼ばれ、~こと。」というように問いの形式に合わせること)。以上の3点を、簡単に箇条書きすればいいと思います。

なお、接続詞を間違えると、場合により大幅減点になる場合もあります。接続詞のポイントは、並列の関係か、それとも、選択の関係かを意識して書くことです。

行政法記述式の「記述」について

正確に記述することが重要です。特に、定義型問題は、条文通り書きましょう。条文の定義や要件は覚えにくいとは思います。しかし、ちゃんと意味があります。言葉のまとまりで区切って覚えていくことがポイントです。その際は、条文の趣旨、手続きの中の位置づけ、原則と例外、他の条文や制度などとの比較を意識すると暗記しやすいと思います。

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