ベルギーで人気ナンバーワンのブルージュ!
ブルージュ周辺とフランダース地方にある世界遺産

ブルージュ旧市街全体が世界遺産

世界遺産の宝庫ブルージュ

「屋根のない美術館」と呼ばれるブルージュは、旧市街一帯が世界遺産である上に、そこにあるベギン会院と鐘楼も、群として登録されている世界遺産の宝庫。ブルージュは、世界遺産に登録されている都市が、その保護のために相互協力することを目的とした非政府機関「世界遺産都市機構」にも加盟しています。


ブルージュ旧市街の歴史的な地域、ベギン会院、そして、マルクト広場の鐘楼

おもちゃのような家々が並ぶ

旧市街中心マルクト広場

ブルージュは、9世紀頃から貿易・金融が盛んになり、当時の世界の中心として栄華を極めたにも関わらず、15世紀に土砂の堆積で港が使えなくなり、急速に衰退していきました。その後、中世をそのまま残したこの町が注目されたのは、ベルギー人作家ジョルジュ・ローデンバッハの作品『死都ブリュージュ』(1892)、そのオペラ化(1920)などによりますが、今日のように、外国人が多く押し寄せるようになったのは、英国人やアメリカ人が、この古都をこよなく愛したためとか。できれば、あまりに観光客の多い夏場を避けて、静かなしっとりとした風情を味わってほしいものです。

 

四季折々に美しい

沈黙の美、ベギン会

ブルージュ観光にはブリュッセルから電車が便利。駅を出て、運河に沿って「愛の湖」沿いを歩くと到達するのが、ベギン会院(ベルギー・フランダース地方に13の群として登録)。観光ガイドでは「修道院」としているものが多いのですが、ベギン会は修道院ではありません。それ自体が小さな村・共同体を形成する建物や教会の集合体です。『ベギン』と呼ばれた女性は、男性不在の中で、夜は門を閉ざして自衛しながら、子どもを育て、働き、学問を極め、そして祈った気高い女達のコミュニティを築いたのです。修道女が、家族や職業などの世俗から縁を切ったのとは一線を画し、ベギン達は中世社会の中で女性が機能できるコミュニティを作ったのです。ブルージュのベギン会敷地内の一角は、その後、ベネディクト派の修道院となり、現在も修道女達が、敷地内のチャペルとの間を往復したりする姿が見られるので、ベギン会そのものが修道院であると勘違いされやすいのでしょう。数あるベギン会院跡の中でも、ブリュージュのそれはほぼ完璧なまでに原形を留め、四季折々、水仙や紅葉や積雪でその趣を変えながら、訪れる人の心を打ち続けています。

 

数ある鐘楼の中でも一際美しい

マルクト広場のシンボル

運河や古い教会・建物を眺めながら、町の中心に向かってゆっくり歩いていくと見えてくるのがマルクト広場(つまり、ブリュージュのグラン・プラス)にそびえる鐘楼。今では、美しいカリオンを奏でる街のシンボルタワーですが、かつて、鐘楼を建てる権利を得ることは、冨と自治権の象徴であり、こんなところにも、歴史に根付いた地方自治や市民社会を垣間見ることができるのです。ブルージュの鐘楼は、フランス・ベルギーにある50以上もある世界遺産鐘楼群の中でも極めて美しく、世界遺産都市ブルージュの景観になくてはならない存在です。健脚自慢の方は、ぜひ上に昇り、世界遺産ブルージュの絶景を眺めてみてください。

 

アントワープへ足を伸ばして、プランタン・モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体

欧州の出版史を語る

プランタン・モレトゥス博物館

世界遺産のベギン会院や鐘楼は、実は、フランダース中、ほとんどどこの町にもあるのですが、観光的魅力たっぷりのアントワープにはそのどちらもナシ。でもがっかりしないで。ここには、世界でも珍しい単体の博物館遺産『プランタン・モレトゥス印刷・出版博物館』があります。16世紀から19世紀まで、ベニスなどとともに、西欧出版文化史を牽引してきたアントワープの象徴といえる、文化的に非常に興味深いものです。ただし、美しさ、一般的観光の魅力にはいまひとつ。文学史・技術史などに興味のある方向けのやや玄人好みな文化遺産と言えるでしょう。

<DATA>
Museum Plantin-Moretus(プランタン・モレトゥス博物館)
住所:Vrijdagmarkt 22-23, 2000 Antwerpen
TEL:+32 3 221 1450
交通: トラム3,9,15番、バス22、25、26番。旧市街中心部より徒歩圏
開館時間:火~日曜まで10:00~17:00
閉館日:月曜
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。