「高級賃貸マンション」では、おもに月額賃料50万円以上の物件を中心に、ときには100万円を上回る「超高級マンション」をご紹介しているが、今回は番外編として同15万円未満のワンルームマンションシリーズを取り上げる。安定して高稼働の理由を詳細に解説しよう。物件選びのチェックポイントや投資市場を分析するヒントになるかもしれない。

パークハビオ恵比寿

パークハビオ恵比寿

パークハビオ恵比寿

JR恵比寿駅の西側、「80m1分」の不動産徒歩表示で3分。駒沢通りから少し南に入ったピーコックの向かい。東京メトロ日比谷線の地上出口からは2分とさらに近い。間違いなく、人気駅の駅近立地である。がしかし、駅前特有の雑踏感は否めない。

「嫌悪施設があると社内予選(分譲)を突破することができる」。そう説明するのは三菱地所賃貸住宅事業部副長の大野泉氏。いま大手デベロッパーは分譲マンションの用地仕入れに加え、ファンドなどの投資会社に売却する賃貸(収益)物件の獲得に各社力を入れている。だから、用地入札に際しては競合他社と争う前に、まず「社内予選」を勝ち抜く必要があるのだ。閑静な住宅街では分譲部門に「まず及ばない」(同)が、近くに住環境に適しているとは言い難い「墓地などがある場合は賃貸部門が優位になる」(同)という。

冒頭の場所に竣工したのは、三菱地所の賃貸マンションシリーズ「パークハビオ恵比寿」。14階建て、総戸数109戸は大型の部類に入るといって良い。通常このクラスになると目標稼働率やそれをいつまでに実現するかに関心が寄せられるが、同社は絶対的な自信を持っているようだ。現在、同シリーズは都心部を中心に34棟2,909戸(計画中を含めると53棟約4,505戸:2015年8月迄)供給しているが全体で90%以上の高稼働を維持。入居者の満足度もアンケート結果で「住み続けたい」が80%など高い数値を示す。理由は徹底した市場分析に基づく商品企画だ。

間口、収納、水回り

パークハビオ恵比寿

パークハビオ恵比寿

人気の理由は、「高級感とデザイン」(同)。高級感とは、20平米未満のいわゆるワンルームマンションと称される広さではなく、25平米程度を確保していること。外観やエントランスにもデザインを施し、(恵比寿では)内廊下設計を採用。専有部は玄関収納も大きく、居室の収納も扉付き。キッチン天板は人造大理石で調理できるスペースがある。たしかに、一般に普及しているコンパクトマンションに比べると明らかにハイグレードかもしれない。

ノウハウは、さらに細部にわたり確立されている。右の画像をご覧いただきたい。ベッドが間口に対し、並行にセットされている。一度でもワンルームを探したことがある方ならお分かりいただけると思うが、この寸法を確保できている物件は多くない。おかげでソファが置け、その正面に薄型テレビを迷わずセットできる。照明はあらかじめ取り付けたレール上を可動するため、ストレスを生みにくい。インテリアに少なからずこだわりたい人にとっては、至れり尽くせりのセッティングである。

家賃は15万円を超えないこと

パークハビオ恵比寿

パークハビオ恵比寿

同社幹部は、「だからといって間口をもう数十センチでも広げてはダメ」だという。シングル市場の上限(15万円)を超えてしまうから。「これまでの経験から、ひとり暮らし用の賃貸マンションは家賃15万円を超えると極端に顧客対象が減る」。二人暮らし用なら、30万円。「パークハビオ恵比寿」の場合、50平米前後の1LDKは28万円台に収まっている。

サラリーマンであれば、家賃にさける予算はおのずと限られてくる。しかし、できるだけ便利な場所で、公私ともに充実した時間を過ごしたいとだれもが思う。「パークハビオ」シリーズの入居者は、当初からの予算をオーバーする人がほとんどだそうだ。予算内に収まる物件では居住性が物足りない。例え1~2割高くなっても理想の暮らしに近づけるなら、と決断するのだろう。「パークハビオ」の賃料単価は相場よりも15~20%高い。安定収益の背景には微に入り際を穿つ商品企画と徹底した市場ニーズの把握にあった。

【画像提供】
三菱地所

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