理学療法評価学の問題傾向

理学療法評価学で学ぶ、評価法は多数あります。

その中でもROMとMMT。この2つの評価法に関しては、評価項目数が多いので、出題しやすい傾向にあります。全評価項目をしっかり復習したいところです。その他、バイタルの測定方法、認知機能検査、片麻痺機能検査、高次脳機能検査、脳神経検査、形態測定、深部腱反射、病的反射、感覚検査、筋緊張検査、バランス能力検査など、実習を通じて、現場で学んだ評価法も当然出題されます。

なお、ここに列挙した評価法の中で、一部の評価法が偏って出題されることはなく、まんべんなく出題される傾向にあります。加えて、評価中のリスク管理であったり、患者さんの症状と必要な評価法の関連性を問う問題も出ていますので、各評価法の方法だけでなく、目的と意味、疾患との関連性までしっかりおさえておきましょう。

理学療法評価学の過去問題と解答

過去問題 第52回(2017年)

脳血管障害の評価として用いられる評価法について正しいのはどれか。
  1. mRSの評価項目に筋緊張がある。
  2. SIASの評価項目に意識障害がある。
  3. GCSの評価項目に関節可動域がある。
  4. NIHSSの評価項目にバランスがある。
  5. Fugl-Meyer Assessmentの評価項目に感覚機能がある。


この問題の答えは【5】になります。Fugl-Meyer Assessmentは脳血管障害評価のひとつであり、運動機能、感覚機能、疼痛、関節可動域、バランスの評価項目があります。1のmRSは脳卒中後の状態を7段階評価したものであり、筋緊張の評価はないです。2のSIASは脳卒中機能評価であり、運動機能、感覚機能、言語機能などの評価項目がありますが、意識障害の評価はないです。3のGCSはJCS同様、意識障害評価であり、関節可動域の評価はありません。4のNIHSSは脳卒中重症度評価スケールで、意識障害、脳神経・高次脳機能の要素、運動機能、運動失調、感覚障害などを評価しますが、バランス能力はこれに含まれません。

過去問題 第52回(2017年)

端座位で一側の股関節を屈曲する際に抵抗をかけたところStrumpell現象が出現し、歩行動作の練習に役立てようとした。観察された動きはどれか。
  1. 股関節外旋
  2. 膝関節屈曲
  3. 膝関節伸展
  4. 足関節背屈
  5. 足関節底屈

この問題の答えは【4】になります。Strumpell現象とは脛骨現象とも呼ばれており、錐体路障害で起きる前脛骨筋の異常な連合運動です。内容としては、背臥位の患者の膝上に検査者が手を置き、その抵抗に逆らって股関節、膝関節をを屈曲してもらいます。正常だとこの時、足関節の背屈が起きますが、錐体路障害がある場合は、足関節背屈、足部内転が起きます。

過去問題 第51回(2016年)
右関節の可動域を表に示す。予想される歩行時の特徴はどれか。
rom2

関節可動域の制限からどのような歩容になるかを予測する問題になります。より現場の実践に繋げた問題と言えるでしょう。


  1. 左Trendelenburg徴候
  2. 上肢の振り幅の増加
  3. 左の歩幅の減少
  4. 腰椎後弯
  5. 右鶏歩

この答えは【3】になります。表記された股関節の可動域は全て制限が認められますが、最も影響すると考えられるのが右股関節伸展-15°です。右股関節伸展-15°の場合、右立脚相後期において、右下肢による蹴り出しが不十分かつ早期に起きてしまい、左下肢の歩幅が減少します。その他の選択肢ですが、1の左Trendelenburg徴候は、左中殿筋筋力低下や左股関節外転制限により起こる徴候であり、MMTに代表される筋力評価がわからないこの表では判断できない。2の上肢の振り幅の増加は、下肢による歩行推進力低下でみられますが、この表からは判断できません。4の腰椎は股関節伸展制限の代償動作が起き、前弯します。5の鶏歩は、前脛骨筋筋力低下で起こります。