EDであるかどうかは専門医の診察を受ければわかります。しかし、診察室で裸にされるのではないか、若い看護師に下半身をまじまじと見られるのではないか、といった不安(妄想)から、受診に二の足を踏む人も多いようです。
そこで今回は、病院やクリニックの診察室の様子を中心に、ED治療薬がどのように処方されるのかをご紹介しましょう。
内科でも形成外科でも処方してもらえる
診察は問診と簡単な健康チェックだけなので、パンツははいたままでOK
ED治療薬は、診察の結果EDであると診断され、服用しても差し支えないことが確認されれば、その場で処方してもらえます。
それでは、診察の流れをご説明しましょう。診察室に入ると、身ぐるみはがれていろいろな検査を受けるシーンを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、よほど重度の泌尿器疾患でない限り、そのような光景に出合うことはありません。たいていは問診と簡単な健康チェックだけで終わります。
健康チェックは、ED治療薬の服用に支障がないかどうかを調べるためのものです。初めて受診する人のほとんどを占める「心因性ED」の場合であれば、まず問題なく処方されます。
そのEDは「心因性」か「器質性」か
EDの診断では、まずEDかどうかを確かめ、次にその原因が「心因性」か「器質性」かを見極めます。心因性とは、身体に問題がなく、ストレスなど主として心理的な要因で起こるものをいい、器質性とは血管や神経、内分泌など、身体に問題があるため起こるものです。
EDの原因を詳しく調べるのは、心因性か器質性かによって、その後の治療方針が変わってくるからです。とはいえ、原因別で見ると圧倒的に心因性のEDが多いので、ほとんどの患者さんの場合はED治療薬の服用で驚くほど改善します。
また、心因性と器質性の要因が混在する「混合型」もあります。どちらかに特定できないとき、便宜的に混合型と呼ぶこともあります。この場合にもED治療薬は一定の効果を表します。
性生活やパートナーについて尋ねられる
診察には医師が一人で対応し、看護師は立ち合いません。患者さんに余計な気遣いをさせないよう、受付も含めてすべてのスタッフを男性で固めているクリニックもあります。問診では、性生活に関わる情報収集を中心として、EDかどうかをおおまかに質問されます。問診票を使いながら、おおむね、次のようなことを聞かれます。
【現在の勃起状態について】
・勃起の状態、朝立ちの有無など
【身体の状態に関すること】
・身体疾患(高血圧、糖尿病など)の有無、喫煙、飲酒、身体的疲労の程度、使用薬剤など
これらのすべてを聞かれるわけではありませんが、一通り、回答のシミュレーションをしておくと、問診がスムーズに進むでしょう。直近の健康診断結果を持参すれば、診察の時間短縮に役立つはずです。
薬歴や既往歴で処方されない場合も
診察を誤らせないためには恥ずかしがらず正直に答えることが大切
問診の結果、EDの診断がつけば、スムーズにED治療薬が処方されます。ただし、患者さんの薬歴や既往歴によっては処方してもらえない場合もあります。
例えば服用中の薬では、ニトログリセリンなどの硝酸薬を使用している場合はNGです。このほか、6カ月以内に心筋梗塞や脳梗塞、脳出血を起こしている人、重度の高血圧や低血圧の人、肝硬変などの人にも処方されませんので注意が必要です。
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