傷つきやすい思春期の男子たち
男は何歳になってもロマンチストで繊細です。思春期男子はよりいっそう傷つきやすいはず。ガラスの十代ですからね!そんな少年たちの葛藤と挫折を描いた青春映画をどうぞ!『SWEET SIXTEEN』(2002年度作品)
不良少年リアム(マーティン・コムストン)は、母親が出所したら、家族みんなで暮らすのが夢。彼は母の為に湖畔のコテージを購入しようと、ドラッグを売りさばいてお金を集めるけれど……。
ワルぶっているけれど母が恋しい少年リアム。若さゆえ、愚かゆえに悪の道に片足を突っ込んでしまうのです。リアムを取り巻く現実は厳しいけれど、それでも「コテージがあれば家族は元通りになれる」と希望を託す姿が切なくて泣けます! 裕福ではない人々の生活をリアルに切り取るケン・ローチ監督作ゆえ、情け容赦ないけれど、それだけに胸に突き刺さり、余韻がいつまでも続く青春映画の秀作です。
監督: ケン・ローチ
出演: マーティン・コムストン、ミッシェル・クルター、アンマリー・フルトン、ウィリアム・ルアン、ゲイリー・マコーマック、ミッシェル・アバークロンビー、トミー・マッキーほか
『リリイ・シュシュのすべて』(2001年度作品)
14歳の蓮見(市原隼人)と星野(忍成修吾)は仲が良かったけれど、死と直面する出来事に遭遇し、星野は変貌。ボスのように君臨し、蓮見をいじめ抜く……。
主人公の苦しみと哀しみに彩られた中学生活を描いたヘビィな青春映画。ある日突然いじめのターゲットになる不安、性的に不安定な時期ゆえに起こる悲惨な出来事など、青春の暗黒場面を生々しく描き、見終わったあともいつまでも脳裏に残る衝撃的な作品。
「ROOKIES」などで熱血のイメージが強い市原隼人のデビュー作であり、愛らしく繊細な少年時代にも注目です。
監督・脚本: 岩井俊二
出演: 市原隼人、忍成修吾、蒼井優、伊藤歩、勝地涼、大沢たかお、稲森いずみ、市川実和子、杉本哲太、阿部知代ほか
※次はシリアス!死を感じさせる青春映画を~