定年後の消費は国内旅行がトップ
退職直後と比べ、定年後の生活全体で大幅に出費が増えたのは消費でした。具体的には、いったい何に使っているのでしょう。団塊世代が定年退職に差し掛かった2007年に博報堂が行った調査(※2)によると、「定年後にお金をかけたいもの」のトップ5は、「国内旅行(56.9%)」「海外旅行(47.7%)」「パソコン・インターネット関連機器(38.4%)「外食・グルメ(31.1%)」「芸術鑑賞(27.2%)」でした。
同レポートの2012年の「退職金をどのように消費したか」というデータでは、1位・2位は2007年と同じく海外旅行と国内旅行でしたが、3位に輝いたのは「リフォーム・建て替え(34.9%)」です。7位からの大躍進です。5位の「投資・株などの金融商品の購入(25.5%)」も8位から急上昇しています。何より驚いたのが4位にランクインした「普段の料理・食事(32.1%)」です。「外食・グルメ(23.1%)グルメ)」ではなく「普段の料理・食事」です!
1位~4位の項目は、人生を、生活を楽しむ「Quality of Lifeの向上」につながるもので、団塊の世代から下の世代の意識は、物からハート(精神)に変わりつつある、意識の大転換が起きつつあることを示しています。 5位の「投資・株などの金融商品の購入」もまた、お金に対する考え方の変化を反映しています。
今後お金をかけたいものトップ5
また、同レポートによると、「今後おカネをかけたいモノ・コト」についての質問に対する回答のトップ5は次の通りです。1位 旅行・リゾート・レジャー
2位 趣味
3位 普通の食生活
4位 病気・老化予防
5位 貯蓄・資産運用
この調査から推測するに、これから高齢者は、行動的で快適な日常を過ごし、精神的な充足を求めるためにお金を使う、という実に豊かな生き方を選択する傾向が強まりそうです。実際に、シニアを対象としたビジネスクラス利用の海外旅行やクルージング、寝台列車の旅など、従来では考えられない旅行パックが販売され人気を博しています。
これからのセカンドライフは、まさに夢実現の時代になるのでしょう。そのためにも、ある程度の資産運用の知識とテクニックを現役時代のうちに身につけておきたいものです。
(※2)博報堂 新しい大人文化研究所 新大人研レポート5「“新しい大人世代”のお金に関する意識」2012年8月