ボクシング/ボクシングのはじめ方

ボクシングの階級について……全17ある階級とそれぞれの試合内容

ボクシングの階級について、現在17の階級の特徴や試合内容を解説します。格闘技において体重差は大きなアドバンテージに。それをなるべく少なくし競技の公平性を出すために階級が定められています。ボクシングの階級は、時と共に変化していきます。

執筆者:鈴木 悟

<目次>
 

ボクシングの階級は、競技の公平性を保つための設定

ボクシングの階級を解説

ボクシングの階級を解説

ボクシングに限らずスポーツには選手の体重によって「階級」が定められているものがあります。特に数ある格闘技のほとんどは階級が設定されています。なぜかというと、たとえば体重100キロの選手と体重50キロの選手が戦うとしましょう。体重が50キロの選手に勝つ可能性がないわけではありません。しかし体重100キロの選手のほうがかなり有利と言えるでしょう。

格闘技のテクニックというものを除いて体重差はとても大きなアドバンテージになるのです。その個人の体重差というアドバンテージをなるべく少なくして競技の公平性を出すためにそのように設定されています。
 

ボクシングの17階級

ボクシングの17階級

ボクシングの17階級

そしてその体重によっての階級分けもボクシングは全17階級と非常に多く細分化されています。各階級名と設定された体重は次のとおりです。
 
  • ヘビー級 90.719キロ(200ポンド)超
  • クルーザー級 90.719キロ(200ポンド)以下
  • ライトヘビー級 79.379キロ(175ポンド)以下
  • スーパーミドル級 76.204キロ(168ポンド)以下
  • ミドル級 72.575キロ(160ポンド)以下
  • スーパーウェルター級 69.853キロ(154ポンド)以下
  • ウェルター級 66.678キロ(147ポンド)以下
  • スーパーライト級 63.503キロ(140ポンド)以下
  • ライト級 61.235キロ(135ポンド)以下
  • スーパーフェザー級58.967キロ(130ポンド)以下
  • フェザー級 57.153キロ(126ポンド)以下
  • スーパーバンタム級 55.338(122ポンド)キロ以下
  • バンタム級 53.524キロ(118ポンド)以下
  • スーパーフライ級 52.163キロ(115ポンド)以下
  • フライ級 50.802キロ(112ポンド)以下
  • ライトフライ級 48.988キロ(108ポンド)以下
  • ミニマム級 47.627キロ(105ポンド)以下
という感じにかなり細かい数字で区切られています。
 

ボクシングのグローブは8オンスと10オンス

そしてミニマム級からスーパーライト級までが8オンス、ウェルター級からヘビー級が10オンスのグローブを使用するという体重の違いによって使用するグローブも異なってきます。安全面などを考慮しての処置なのでしょう。

私はミドル級でしたので10オンスのグローブを使用していたわけですが、その経験から感じるのはウェルター級(66.678キロ以下)からヘビー級(90.719キロ超)が同じ大きさのグローブをつけて戦うというのは考えるだけでゾッとしますね……。ミニマム級からスーパーライト級までの選手も同じようなことを感じているのでしょうか?
 

ボクシングの試合内容は階級によって異なる

階級によって異なる試合内容

階級によって異なる試合内容

そしてこの細かく分けられた階級によって試合の内容も変わってきます。軽い階級の試合は素早いパンチやフットワークなど見応えがあります。しかし全般的にKO率が少なくなります。それとは逆に体重が重い階級になってくると、それだけ「重さ」のあるパンチを打てるのでKO率は多くなってきます。そしてやはり身体が大きい分迫力はありますが、スピードは体重の軽い階級の選手に比べてゆったりしている感じがあります。

そして全階級の真ん中あたりになる60キロから70キロくらいの階級はスピードとパワーをそれなりに両立している階級と言えるでしょう。しかし必ずしもこのとおりではなく軽い階級の選手でも一発で相手をKOするパンチ力があったり、重い階級でもスピードのある動きを見せる選手もいます。
 

無差別級からヘビー・ミドル・ライト級へ

ボクシングはかなり歴史が古いので現在に至るまでにいろいろな変化をしており階級もかなり変わってきました。ボクシングがおこなわれ始めたころには階級などはなく現代風な言いかたをすれば「無差別級」だったようです。

そこである程度の体重差を考慮してつくられたものがヘビー級とライト級の2つです。まさにヘビー(重い)とライト(軽い)というシンプルなものだったようです。その後さらにミドル級(中間)が増えました。これもシンプルなネーミングですね。現在でも17までになった階級をざっくり三等分して軽量級、中量級、重量級と言ったりもします。
 

ボクシング階級の変化

ボクシング階級の変化

ボクシング階級の変化

その後私がボクシングを始めてからも階級の名前が変化したことがありました。現在のミニマム級はストロー級としてあった階級ですが、かなり短い期間でミニフライ級、ミニマム級と変化しました。

他にもライトヘビー級やスーパーウェルター級のように「ライト」や「スーパー」というものがついている階級です。以前はジュニアヘビー級、ジュニアミドル級というふうに「ジュニア」となっていました。現在のスーパーウェルター級で説明すると「ウェルター級よりは重いがミドル級よりは軽い」ということでどちらの呼びかたも間違ってはいないでしょう。世界のボクシング団体も「ジュニア」と「スーパー」のどちらかを使用しています。

日本の加盟しているいくつかの世界団体がその二通りの呼びかたを統一することになり日本もそれにともない変化しました。最近ではキックボクシングや総合格闘技などの団体も増えてきています。それらの影響も受けながらボクシングはまだまだこの先も階級だけではなく、いろいろな変化をしていくかも知れませんね。

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