OB・OG訪問をした学生ほど、内定に近い!
2016年卒の現大学3年生の就活は後ろ倒しになったとはいえ、準備は始まっています。準備期間が長くなった分、 インターンシップへの参加が盛んになり、企業のリアルを体験できる機会は増えました。私はそれと並行して解禁前からのOB・OG訪問をおすすめしています。というのは、選考前にOB・OG訪問をしている学生としていない学生とでは明らかに志望動機の深さや社会人になる動機に差を感じているからです。実際、マイナビが2013年に発表した記事『OB・OG訪問のすすめ』のデータでも、OB・OG訪問をした学生とそうでない学生には、5月時点で内々定を得ている割合に差が出ているのです。
十人十色の働く人の「リアル」を知る
私がこの解禁前にOB・OG訪問をすすめる理由には二つあります。一人で悩まずに、まずは社会人の先輩に相談してみるつもりで始めてみよう。
一つは自分の足で稼いだ「オンリーワン」の情報こそが、説得力のある価値ある情報であることを身を持って体験してほしいからです。就活の情報収集のためにはインターネットは欠かせませんが、インターネットにばかり頼っていると何を信じてよいかわからなくなり、就活に後ろ向きになる学生も実際にいます。ですから、解禁前のこの時期に生身の社会人に多く接することで、地に足のついた働く動機や視野、価値観を知る機会を得てほしいのです。この時期にたくさんのOB・OGに会うことで、会った数の分だけ多様な将来像を得られます。10人会えば10通りの考え方を知ることができ、それが自分の働く動機に幅と深さを与えてくれます。志望業界が決まっている人も決まっていない人も、この準備期間には幅広い業界の先輩にどんどん会うことをおすすめします。
たとえば旅行が好きだから旅行会社を志望しているAさんが、旅行会社で法人営業をしているB先輩を訪問したとしましょう。そうしたら、その先輩は旅行の話よりも、お取引先企業とのエピソードや仕事の苦労などについて「本人ならではの体験」を語ってくれるはずです。これによって学生が、一人ひとり異なる「働く」について知ることで、自分に合う、合わないも含めて、働くイメージができていくのです。これを得られるのがOB・OG訪問をする醍醐味で、訪問をした人しか得られないオンリーワンの情報や感想を持てるため、説得力のある動機へと変わっていくのです。
そのほか、OB・OG訪問では自己分析ノートを見てもらったり、エントリーシートを添削してもらったり、先輩の就職活動についての話を聞いたりすることもできます。こんな風にいろいろな業界の社会人に会えるというのは、まさに就活生の特権です。OB・OG訪問をしてきた学生の様子を人事に報告させて選考の参考にする企業もあるため、事前の企業研究などの準備は欠かせませんが、それ以上に充実した情報を得られると思うので、ぜひチャレンジしてみてください。
続いては、この時期にOB・OG訪問をすすめる二つ目の理由を説明します。