CLIENTのタイトルから

ガイド:
city

City

さて、今回17曲入りでリリースとなったアルバム『City』、これはいつ頃からしたためてきたものなのでしょうか? アルバムを作るにあたって、コンセプトみたいのはあったのですか?

City (Amazon.co.p)
City (iTunes Store)
Breezesquad (Bandcamp)

 

松見:
アルバムの構想はちょうど1年前からありましたが、楽曲はそれ以前の、音楽を作り始めた時期のものも含まれているので、個人的なベストアルバムのような作品になりました。

今まで楽曲制作はすべてひとりで行なってきましたが、今回のアルバムに関しては縁あって、Auto-Autoというスウェーデンのエレクトロポップバンドのメンバーの方にマスタリングをして頂くことになりました。お金を出して聴いて頂く初めての作品なので、ピコピコサウンドとはいえ音質にも気合いを入れてます。

"City"というタイトルは、CLIENTというUKのエレクトロポップユニットが2004年にリリースしたアルバムから取ったものです。収録曲の中にある「Nighthawks」も、20世紀アメリカの画家Edward Hopperの同名の絵画がモチーフだったりと、色々なジャンルの作品から影響を受けて作られたアルバムになっています。

制作にあたり自分の中で設けたテーマが「異郷へ行きたい都市生活者」……って今の自分そのまんまなんですが。生まれてからずっと福岡市の割と都会の場所に住んでるせいか、なぜかずっと田舎への憧憬の念を持ってて、かといって簡単には離れられない、というような葛藤のようなものが根底にあります。時間帯でいうと、テレビの放送が終わってカラーバーやお花畑の映像に切り替わる深夜3時台のようなアルバムです。

ガイド:
僕もインテリビッチなCLIENT大好きです。新作も出ますね!

アートワークも松見さんによるものですよね? ビットワールドに統一されていますが、同時にグラッフィク的にも色使い等に個性があって好きです。高性能すぎないからかえって味がある世界ですね。グラフィック的にはどのようなところがポイントなのでしょうか?

秘密のクライエント (All Aboutテクノポップ)

中欧のクロスステッチ

松見:
アートワークを考える上で、わかりやすいファミコン風のグラフィックとは違う文脈のものを探していました。ちょうどその時偶然蚤の市で1970年代の中欧のクロスステッチ図案集を見つけて、そこからビジュアルイメージを膨らませていきました。
ジャケットでは動物や鳥が群れているんですが、ピクセルアートの味気なさと相俟って、何となく物悲しい。"City"とはほど遠いモチーフではありますが、かえって孤独な現代人のメタファーのようで良いなと思いました。

音はすごくデジタルなのに、ビジュアルはどんどんその逆のアナログの方向へ行くというギャップが面白くて、9月に展示をした際には、マスキングテープを用いてアルバムのアートワークを再現しました。

ガイド:
あー、なるほど、中欧のクロスステッチ! 中欧・東欧好きの僕としては、そんなモチーフにも刺激されたのでしょう。

オープニングの「Under The Reign」は、Bitpopサウンドでありながらも、根底にはエレクトロなものを感じます。Bitpopと非Bitpop ver.を聴き比べてみると、面白いかなと。

実際に、ピコピコ部分はどのようにして音を作っていくのですか?

松見:
上モノのメロディーなどは最初はピアノの音色で作って、気に入ったものをMIDIで打ち込んで8bitの音色に変えることが多いです。ちなみに楽曲は全てGarageBandで制作しています。

言われてみると楽曲はいつも"結果的にピコピコしている"だけなので、そうでない音色やアレンジでどう聴こえるのかは気になりますね。リミックスされる側の立場にも興味があります!