全ページが楽しい言葉遊び
「そらまめ そろって マラソンさ」で始まる『おやおや、おやさい』のマラソン大会。「にんきものの にんにくは きんにく むきむき」、「りっぱな パセリは つっぱしる」に続き、「ラディッシュ だんだん ダッシュする」。似た音と響きが何とも絶妙に重ねられ、リズムよく読みやすい文章。野菜たちの走るペースがアップするにつれて、読み手の調子も上がります。
色鉛筆調でカラフルな絵
たくさんの野菜たちのオンパレードですから、色彩も鮮やか! 赤、黄、緑、オレンジ、茶色、白。水色の空に白い雲がくっきりと浮かぶ中、微妙な色調の変化も豊かな野菜たちが、躍動感たっぷりに活動します。色鉛筆調の優しい絵が、ほのぼとした雰囲気でいっぱいです。レース展開も巧み
気ままな野菜たちのマラソンは、やっぱりハプニングが起きます。川辺を大根の後ろにぴったりくっついて走っていたニンジンの前に、「きゅうりは きゅうに とまれない」と自転車に乗ったきゅうりが突進してきたと思ったら、ニンジンではなく、驚いた「かぼちゃの ぼっちゃんが かわに ぼちゃん」。サツマイモやニンジン、セロリ、きゅうりが助け出す間にも、何食わぬ顔でリードを広げていく「えのきのあにき」や「とうがらしのとうさん」。ゴール間際、一等賞を確信した白菜が「はくさい はくしゅは てれくさい」なんてほおを赤らめていたら!?姉妹版『くだもの だもの』
果物たちが海辺に集う姉妹版『くだもの だもの』は、「キウイ うきうき うきわで およぐ」一方で、「マンゴーの まご まごまご まいご」、「パパイヤの パパ パン やいた」。『おやおや、おやさい』よりもたくさんのハプニングが、あちこちで繰り広げられます。軽快な言葉遊び、優しく鮮やかな色調、ユーモアに包まれた展開は、幼児期初期から小学生にも大人気。読み聞かせの場でも何度もご紹介したことがあるのですが、お母さん、お父さんたちからも笑いがこぼれ、思わずツッコミが入るほど。声に出して読む楽しさも十分に味わってくださいね。