トラディショナルさと斬新さを取り入れた二面性のサウンド

■アルバム名
アフター・ザ・ゴールドラッシュ

■アーティスト名

ニール・ヤング

■おすすめ理由

先ずこのタイトル、“After the Gold Rush”が意味するものを感じ取りながら、楽しんで聴いてみて欲しいのです。

本来「ゴールド・ラッシュ」とは、新しく金が発見された地へ、金脈を探しに一攫千金を狙う採掘者が殺到したムーヴメントの事で、1848年~49年にカリフォルニアで起きました。
新天地となったカリフォルニアには金鉱脈目当ての山師や開拓者が殺到し、特に1849年に急増したことから、彼らは"forty-niner"(49er)と呼ばれました。

今作は1970年にニール・ヤングがクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの活動期間中に発表したソロ・アルバムで、クレイジー・ホースのメンバーとジャック・ニッチェ、スティーヴン・スティルス、ニルス・ロフグレン、グレッグ・リーヴスが録音に参加しました。
アコースティック・ギターやピアノでの弾き語りをベースにした曲が多く、その合間にエレクトリックなアレンジも収められています。
ニール・ヤングという音楽家は、フォーキーでトラディショナルな響きを大事にしつつも、必ずしもそこに逃避するような人ではなく、時代ごとに斬新なサウンドも器用に取り入れる二面性を持った人です。

丁度このアルバムが出た70年は、かつてのヒッピーやフラワームーヴメントに浮かれた世代が終息に向かった時期、またベトナム戦争も泥沼化し、あらゆるものが混沌に共生する時期でもあったのです。
ニール本人もそこに着眼し、古い概念や風習に対して批判めいた内容が目立ちます。
とくに「サザン・マン」という曲は、アメリカ南部の人種差別や独特な風習に対する鋭い指摘が込められ、その後レナード・スキナードによるアンサーソング「スウィート・ホーム・アラバマ」が出来るきっかけにもなりました。

常に時代と共に最良な答えを模索し続ける彼の社会的姿勢、今尚変わらないのが魅力です。




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