高校受験とちがい中学受験には子どもによって向く、向かないの差が非常に大きいです。お子さんは中学受験への適性があるでしょうか。親が子どもに中学受験をさせたいと思っても、子どもによっては高校受験で勝負した方がいいケースもあるのが事実です。今回は中学受験の国語への適性を確認する方法を紹介します。

精神年齢の高さが国語の適性を決定する

精神的に幼い子はいくら努力して解法テクニックを学んでも、「わからないものは、わからない」のです。

精神的に幼い子はいくら努力して解法テクニックを学んでも、「わからないものは、わからない」のです。

中学受験は早熟有利というのが常識になっています。なぜでしょうか。いちばんの理由は国語の読解において、精神的に幼い子はいくら努力して解法テクニックを学んでも、「わからないものは、わからない」からです。具体的に例を挙げて説明しましょう。

問題:「――(1)で『健太は幸子にわざとそっけない態度をとった』とありますが、なぜそのような態度を取ったのでしょうか。30字以内で説明しなさい。」

国語の小説文読解では登場人物の心情理解がポイントになります。この問題では、「好きな異性にわざとそっけない態度を取る少年の心」を説明することが求められています。男子よりも恋愛に関心を持ち始めるのが早い傾向にある女子や、男子でも精神年齢が高ければ、あっさりと書けてしまう記述問題です。ただ、これが偏差値50を超える中堅以上の学校の入試問題だと、さらにワンランク上の心情理解を問われます。

問題:「――(2)で『祖母は今にも沈みそうな夕日に照らされ、古い卒業アルバムの写真を眺めていた。そして突然ほほを一筋の涙がつたった』とあるがなぜか。涙の意味がわかるように50字以内で説明しなさい。」

祖母の感傷に浸るに至った心理状態を、「今にも沈みそうな夕日」に込められた象徴的な意味を明らかにしつつ50字でまとめることが要求されているのです。塾の国語の授業では、天気や太陽の様子はそのまま登場人物の心情を表していることを説明します。ですから、夕日が祖母の終盤を迎えつつある人生をたとえていることは勘のいい子なら気づくことができます。

でも、「自分の将来に対して希望に満ちていた無邪気で幸せな子ども時代に思いを巡らし、決して戻ることはできない現実との差に懐かしさと寂しさを感じる」という祖母の心境までは、いくら記述問題攻略のテクニックを身につけても、なかなか答えられるものではありません。精神的に幼い子はいくら努力して解法テクニックを学んでも、「わからないものは、わからない」と言い切った理由がお分かりでしょうか。

中学受験の国語の文章読解にはテクニックだけではどうにもならない精神年齢の壁が存在します。論説文もはっきりと精神年齢による有利不利がはっきり出ます。例えば、論文のテーマには次のようなものも選ばれます。
  • 「肉親の死と向き合うことで初めて実感する生の意味」
  • 「過去と未来とのつながりから考える現在」
  • 「歴史に対する西洋と日本でのとらえ方の違い」
小学生でも容赦なく、抽象世界の理解を求められるわけです。

さて、いががでしたでしょうか。中学受験はある意味、「取扱注意の危険物」です。軽く考えると失敗します。子どもの受験適正を慎重に見極めてくださいね。
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