物議を醸しだしたポール・トマス・アンダーソン監督の傑作映画
■作品名「マグノリア」
■監督
ポール・トマス・アンダーソン
■主演
フィリプ・シーモア・ホフマン、トム・クルーズ、ジュリアン・ムーア
■DVD販売元
ポニーキャニオン
■おすすめの理由
この映画、何がすごいって主人公が10人いること。
最初は無関係と思われたこの10人を巡るエピソードが折り重なり、彼らの関係が少しずつ連なっていく群像劇なのです。
新興宗教の教祖的なうさんくさいSEX伝道師、昔クイズ王だった今はダメ男、そして今天才ともてはやされている少年、クイズ番組の司会者、そして妻と娘、警察官、ベッドで瀕死の大物プロデューサー、そしてその後妻と看護士。
演じる役者もトム・クルーズ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ジュリアン・ムーア、ウィリアム・H・メイシーなど個性の強い俳優さんばかりで見応えがあります。
特にうさんくさいSEX伝道師を演じるトム・クルーズはほかのトム主演作品(かっこいいトムばかり)では見られないぶっとんだ演技を見せており、彼の演技力の高さを再認識してしまいました。
少しずつ関係がつながっていく彼らですが、全員がなんだか不幸せ。
それが最後の最後、物議を醸しだしたあのラストシーンで一気に「ええい! もうどうにでもなれー!」っと吹っ切れた気持ちになり、見ているこちらも「えええー??」と驚きながら主人公達と一緒に心癒されて、あの結末を受け入れてしまう。
劇中に使用されるエイミー・マンの楽曲も素晴らしく、私の心から離れない作品です。
こんな人間タペストリーのような映画を撮ろうというところに始まり、人々の描き方、そしてあの終わらせ方といい、ポール・トマス・アンダーソン監督のすごさをひしひし感じてしまう傑作映画です。