国民年金が払えない場合の「特例免除」とは?

免除の申請と併せて、年金記録の秘密保持の配慮の相談も可能

免除の申請と併せて、年金記録の秘密保持の配慮の相談も可能

国民年金保険料が経済的な理由等で払えない場合「免除」という制度があり、その要件は基本的に「所得が一定以下」であることとなっています。

この所得の判断基準について、以下の特殊事情があります。
  • 前年の所得(1月から6月の申請は前々年)であること
  • 本人の所得はもちろん、世帯主や配偶者の所得も含めて判断されること
「前年の所得」で判断されると、失業したばかりの方については、今収入がないにもかかわらず、前年の所得があると免除されないという、実態とのズレが生じることについて改善がもとめられていました。

そこで、国は「失業による特例免除」という制度を新たに創設しました。所得の判断について本人を対象外としました。

これはひとつの改善ということなのでしょうが、所得の判断基準について「世帯主や配偶者の所得を含める」ことで実態とズレが生じることがあります。

配偶者からDVを受けている場合はどうする?

最近社会問題化しているDV(ドメスティック・バイオレンス)によって、配偶者から逃れて身を隠している方がいらっしゃいます。

配偶者と生計を別にしているにもかかわらず、免除の判断に配偶者の所得を含めるのは問題があります。この問題を改善するために「DV被害者についての特例免除」を創設しました。

2012年7月にスタートしたこの制度は、配偶者からの暴力に起因して配偶者(加害者)と住所が異なる場合は、配偶者の所得にかかわらず、本人の所得によって免除の判断ができるというものです。

所得については、前年(1月から6月に申請する場合は前々年)の所得で判断されます。世帯主の所得については場合によって審査の対象となる場合があるようです。

DV被害による特例免除の申請には何が必要?

DV被害による特例免除の申請手続きについては、以下が必要となります。
  • 配偶者(加害者)と住居が異なることの申出書と住居地が確認できるもの
  • 公的機関が発行する「配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書(初回のみ)
申請と住居に関する申出は毎年行う必要があるので気を付けたいですね。申請期間ですが、7月から翌年の6月までの期間について、7月から翌年の7月までの間において申請が可能となります。

会社員の夫の被扶養配偶者(第3号被保険者)となっていた妻が、夫の暴力を避けるため扶養から外れることがあります。そうすると国民年金の第1号被保険者となり、保険料の納付義務が生じることになり、特例免除申請というケースが考えられますね。

第1号被保険者となる手続きの際に、一緒に特例免除申請もするとよいでしょう。

免除は4段階

手続き先については、お近くの年金事務所となっています。通常国民年金の手続きは市町村役場でも受け付けていますが、住所地と違うところに身を隠している場合もあり、年金事務所となっているようです。もちろん、相談等については市町村役場でも可能なはずです。

DV被害者についての特例免除は、「全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除」の4つの種類があり、それぞれ本人(場合によって世帯主も含む場合あり)の所得で審査が行われることになります。

例えば扶養家族が1名いる場合、前年の所得が92万円以下なら「全額免除」となります。収入で言うと、もう少し多くなりますから、パート収入程度だと認められる可能性が高いので、まずは相談をしてみることをおすすめします。


【関連記事】
年金が払えない…保険料免除の制度、基準とは?
国民年金、保険料免除と納付猶予の違いとは?

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。