徐々にカルト的な人気を得ていった不思議な映画
■作品名ある日どこかで (80)
■監督
ヤノット・シュワルツ
■主演
クリストファー・リーブ、ジェーン・シーモア
■DVD販売元
ジェネオン・ユニバーサル
■おすすめの理由
クリストファー・リーブ演じる作家が、昔の女優(ジェーン・シーモア)に恋をして1980年から1912年へと時間旅行をするロマンチックな映画です。
監督は『ジョーズ2』(78)を撮ったフランス出身のヤノット・シュワルツ。
公開時にはあまりヒットしませんでしたが、その後、名画座、テレビ、ビデオと移りながら、徐々にカルト的な人気を得ていった不思議な映画です。
この映画で最も印象に残るのは、ラフマニノフの「ラプソディ」(パガニーニの主題による狂詩曲)を二人のテーマ曲として効果的に使ったジョン・バリーの音楽でしょう。
そして1912年当時の衣装、舞台となったグランドホテル(ミシガン州マッキナック島に実在)がクラシカルな雰囲気を盛り上げます。
原作・脚色はリチャード・マシスンですが、念じるだけでの時間旅行、時を超えた恋愛、ノスタルジーに満ちた世界という点では、ジャック・フィニイの『ふりだしに戻る』と『時の旅人』が思い浮かびます。
また、この映画が最も強く影響を受けたのは、ジョセフ・L・マンキーウィッツの名作『幽霊と未亡人』(47)だと思われます。
描かれた時代は異なりますが、男女の設定を入れ替えると細部に共通点が多く、ラストシーンもそっくりです。
興味のある方は、こうした本や映画にも目を通してみてはいかがでしょうか。