スペイン全土を制覇した気分になる一冊
■書名スペイン街道物語
■おすすめポイント
『スペイン街道物語』をゆっくりと詠むと、一人でスペインの全ての道を歩いて、全土を制覇したような気分になります。スペインの街道には、様々な歴史や文化が溢れており、その魅力にひきこまれていきます。
本によるスペインの旅は、「アル・アンダルス街道」から始まります。それに続き、「カリフ王国街道」、「グラナダ王国街道」、「モロッコ王国街道」、「アル・イドリシ街道」、「ミュンセル街道&イブン・アル・ハティブ街道」、「アルプハーラ街道」、「ワシントン・アーヴィング街道」、「グラナダ」を巡ります。そして、「銀の道、「サンティアゴの巡礼の道」で締めくくります。
スペインは今ではラテン系の人々が暮らす国ではありますが、歴史的にはアラビア系の人も暮らした国です。2つの文化の違いが、各々の街道で交錯しているのです。特に古都のコルドバとグラナダをつなぐ街道には、イスラム教の栄華が漂っています。異種の文化が融和しながら、現在のスペインができあがっていることを強く感じさせてくれます。
この本の最大のメリットは、足を疲れさせることなくスペインの街道の隅々を巡ることができることですが、本を読み終えた頃には、実際の自分の足でスペインの街道を歩きたくなっていることでしょう。
■スペイン街道物語
著者:中山瞭
出版社:JTB
発売日:2002年7月1日
定価:1700円
※データは記事公開時点のものです。