旅先で見聞きし、感じたことを率直に記した本

 

 

■書名
イタリア古寺巡礼

■おすすめポイント
『イタリア古寺巡礼』は、和辻哲郎がドイツ留学期間中の1927年冬にイタリアを旅した際に、日本にいる家族に宛てた私信をもとにして、後年まとめられて出版されました。
旅は約3か月にわたり、パリから南下してジェノバからイタリアに入り、ローマ、ナポリ、シチリアへ、そののちアッシジ、フィレンツェ、ボローニャ、ヴェネツィアと中部~北部を訪れています。

和辻が旅先で見聞きし、感じたことを率直に手紙に記したことがらは、今でも古びていません。
南北に長いイタリア半島を縦断する車窓からの風景が変化する様子、目にする遺跡や美術作品に実際に触れた印象は非常に活き活きと描かれ、ぜひ私もそこへ行ってみたいという気持ちになります。
私はローマに行った際にミケランジェロによるモーゼ像(サン・ピエトロ・イン・ビンコリ教会)を見に行ったのは、この本がきっかけでした。

とはいえ、手紙が書かれた当時とは戦争も挟み、50年以上も経過しています。歴史的建築物が多く残るイタリアであっても、街並みはだいぶ変わっています。また、バチカンのシスティーナ礼拝堂やアッシジの壁画のように修復されたものは、当時の様子と現在目にするものとは違います。こうした違いも興味深いものです。

この本を片手に、二つの時代のイタリアを旅するというのはいかがでしょうか。


イタリア古寺巡礼
著者:和辻哲郎
出版社:岩波文庫
価格:778 円

※データは記事公開時点のものです。


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