驚きの高速起動!
実際に使ってみて、まずその高速な起動に驚かされた。レンズの繰り出しも素早い。メーカーでは起動時間を0.75秒としている。ストップウオッチで実際に計測してみようと思ったのだが、あまりに起動が早いために手動での測定誤差が大きくなってしまい、まともな数値が出なかったほどだ。ただ高速起動ですぐに撮影可能になるのではあるが、ズームや露出補正などの操作は一拍置いてからでないと対応しない。つまり、シャッターチャンスを逃さないように、起動と撮影が優先されているという仕様なのだ。
これを理解していないと「……あれ?」ということになってしまう。もちろん、ズームなどの操作も同時にできたほうがいいに決まってはいるのだが、このあたりはトレードオフというものであろう。
起動時以外も基本的に操作は快適だ。というのも、十字キーにあたる「ロータリーマルチセレクター」が回転して、メニュー選択や画像送りなどに対応しているからだ。十字キーとしての機能も持ちつつ、回転もするという機構で非常に使いやすい。
製品ページでも一切言及がないのだが、このロータリーマルチセレクターの使いやすさはもうちょっとアピールしてもいいのではないかと思うほどだ。あとは回転速度によって再生時の画像送りの枚数を飛ばす等の工夫があればインターフェイスとして完成度がかなり増すと思うのだが。
もうひとつ、撮影していて気に入った部分が薄さ25mmという充分な薄型デジカメでありながら28-196mmという7倍ズームレンズを搭載しているということだ。このズームレンズは日常での撮影シーン、ほぼすべてのレンジをカバーできる。
薄型でありながら、7~8倍ていどの倍率を持つズームレンズを搭載するというのは最近の薄型デジカメのトレンドでもあるのだが、COOLPIX S6000はその中でも最薄となっている。凹凸の目立たないほぼフラットな形状になっているので、その薄さが際立っているのも特筆しておきたい。