クレヴィアタワー目黒不動前
「クレヴィアタワー目黒不動前」(伊藤忠都市開発)は地上21階建て、総戸数138戸の分譲マンションである。交通アクセスは東急目黒線「不動前」駅から徒歩4分の他、JR山手線「五反田」駅徒歩11分、東急池上線「大崎広小路」駅からも徒歩10分だ。現地は山手通りに面する。現在、地下で首都高延伸の工事が進行中の山手通りでは、完成に合わせて地上部分も拡幅される計画だ。すでに整備された中野や代々木辺りの同通りでは、歩行者と自転車のレーン(インターロッキング)を分離。快適で安全性も飛躍的に向上している。最新のアスファルト(車道)は通行車両のタイヤ音も軽減。同様に再現されるかどうかは未確認だが、今より開放的な道並みになるであろうことは十分予想できる。
したがって、「クレヴィアタワー目黒不動前」は将来的に景観の様変わりする点をまずは第一の特長と捉えたい。次に、タワーでありながら全戸南向きであること。多くは4方向に開口部ができるタワー住戸だが、当物件は珍しくすべてにおいて日照に恵まれている。さらにもうひとつ注目点を挙げよう。それは構造だ。
免震+スラット3
東日本大震災以降、免震を採用するマンションが増えてきた。「クレヴィアタワー目黒不動前」もそのひとつである。免震マンションは、振れ幅自体は耐震によりも大きくなる可能性があるが、加速力が減衰されることで、ゆっくりとした大きな揺れに変わり、家具転倒などの危険性や建物の損傷が軽減される。免震建物には、免震装置より上部の躯体を一般的な耐震構造より耐震性を緩和できるという利点がある。「アイソレーター(積層ゴム)」で吸収した地震力を差し引いて構造計算できるためだ。だから、柱梁を細くしてその分専有部がすっきりとした空間になりやすい。
「クレヴィアタワー目黒不動前」はこの免震の特性をいかし、「スラット3」という新工法を採用。右の画像をご覧いただこう。建物の中央部に少し突き出た「グリッドフレーム」が見えるだろう。この“格子枠”と両妻(端)の梁で耐震性を保持する。そのため半分ほどのタイプ(住戸)には南の開口部に一切梁がない。これによりタワーでありながら、なおかつバルコニーが付いて2.2mのハイサッシュが実現できたのである。
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