コミュニケーション能力がある人は仕事で活躍できる?!
経団連が毎年発表している「選考時に重視する要素」によると、企業が学生に求める力の第1位は「コミュニケーション能力(通称“コミュ力”)」だそうだ。これは学生も大学側もよく理解していて、面接トレーニングなどを通じてコミュ力を上げようと必死になる。人のコミュニケーションはどの仕事でも必ず必要な能力だ
ではなぜ企業はそこまで「コミュニケーション能力」を重視するのだろうか?
学生にとって不思議なのは、今までの学校教育や高校、大学受験ではまったく点数として評価されていなかった「コミュニケーション能力」が、いきなり就職活動で企業の選考を受ける時になって最重要項目になることだ。国語や数学を教えてくれる先生にはたくさん会ってきたかもしれないが、人とのコミュニケーションについて教えてくれる先生なんて高校にも大学にも当然いない。「それを企業は求めているぞ!」と言われても、困る学生が出るのは当然の様な気がする。
本当はわかり易く「企業が最も重視する項目は“学力”です!」と言ってもらった方が、学生にとっては今までの努力の延長線上で解決できるから助かるのかもしれない。
しかしSPIや筆記試験を課す企業は数多くあっても、そのスコアを採用時の最重要項目におく会社はないだろう。
企業が欲しい人材を一言で言えば、
「自社の仕事で活躍する可能性が高い人材」である。
そのため、その仕事で活躍するために必要な要素で最も重要度が高い能力や志向を選考の際に評価する。
だから、なぜコミュニケーション能力を企業が求めるかと言うと「人とのコミュニケーションが発生しない仕事は世の中に存在しないから」である。どの仕事でも伝えたいことを円滑に伝えることはとても重要な要素だからだ。
しかし、「コミュニケーション能力」が高いことが本当に「仕事で活躍するために最も必要な要素」なのだろうか?人とのコミュニケーションが苦手な人は、社会で活躍できないのだろうか?
私は実はある経験を通じて、まったくそうは思わなくなった。