エントリークラスのデジタル一眼レフが1800万画素に到達
1800万画素と、エントリークラスとしては圧倒的な高画素化を果たしたEOS Kiss X4(以下、X4)。解像度だけであれば上位モデルとなるEOS 7Dとほぼ同じものとなっている。EOS Kiss X4+EF-S18-55 IS
その他にもEOS Kiss X3(以下、X3)からさまざまな改良・変更が施されているので、そのあたりを中心にレビューしていくとしよう。
まず、最初にスペックで目につくのは1800万画素という高画素化。X3の時点で1500万画素であったものからさらに20%アップとなった。
高画素化で気になるのは高感度でのノイズだ。撮像素子というものは、物理的な問題としてサイズが同じままであればノイズが増えるのが原則だからだ(参考ガイド記事:大きなCCDと小さなCCD、どちらがいい?)。
しかし、EOS Kiss X4は見事にその不安を打ち消している。むしろX3に比べても高感度時のノイズは減っているほどだ。少なくともカラーノイズは減り、ディテールが残されている。1800万画素クラスでの絵作りのノウハウがEOS 7Dを通して蓄積され、画像エンジンに反映された結果だろうか。
ここ最近のキヤノンのデジタル一眼レフはニコンのものに比べて高感度ノイズの処理に劣っているという印象であったが、大きく進歩したというのが今回の感触だ。
そのおかげでもあるのだろう、X3では常用範囲のISOは3200まででISO6400、ISO12800はオプションを有効にしなければ使うことができなかった。だがX4の常用範囲はISO6400までとなっている。
さすがにISO12800はオプションを有効にしなければならないだけあって、かなりノイズが乗ってしまっている。緊急時はともかく、原則的に使用はオススメできない。
常用できる範囲はざっとISO1600までだろう。被写体によってはISO3200でも通用するはずだ。とにかく色の濁りが少なくなっており、等倍で見るのであればともかく、ちょっと縮小すれば充分にいけるはずだ。
(参考ガイド記事:デジタルカメラにおけるISOとは? 高いとどうなる?)
高感度ノイズの処理に限らず、全体の印象としてX2からX3へはマイナーバージョンアップだったものが、今回のX4は大きなメジャーバージョンアップとなっているといったところなのだろう。