【不動産売買ワンポイントアドバイス No.016】

敷地内の電柱

敷地内に電柱が立てられた住宅は意外と多い


敷地内に電柱が立てられた新築住宅や中古住宅は意外と多いものです。敷地の前の道路に電柱があるだけでも嫌なのに、ましてや敷地の中なんて……と感じるかもしれません。

毎日の生活に欠かせない重要な施設であることは分かっていても、いざ自分のこととなるとあまり良い印象は持てないのでしょう。

しかし、自治体によっては幹線道路沿いなどを中心に、電柱の敷地内への設置を条例などで定めている場合があります。歩行者の安全や見通しの確保などがその主な目的です。

さらに、一般の住宅地でも歩行者の安全だけでなく景観上の観点から、地区計画や建築協定などによって、「電柱を立てるときにはいずれかの敷地内に入れること」が義務付けられている場合もあるでしょう。

景観を向上させるためには電線を地中化させることが最適なものの、一般の住宅地ではなかなかそうもいきません。次善の策として、電柱の敷地内設置が求められるのです。

電柱を敷地内に設置する際には、土地所有者が電力会社に対して「承諾書」を出したり、土地の使用契約を交わしたりするほか、中古住宅を購入するときには原則としてその内容が買主に引き継がれます。

また、電力会社からは土地使用料や電柱敷地料などの名目で毎年、一定の金額が土地所有者に支払われます。宅地の場合には、電柱1本あたり1,500円、支線や支柱があるときは同じく1本あたり1,500円です。

ただし、この金額は月額ではなく年額ですから、あまり住宅ローンの足しやお小遣いにはならないでしょう。ちなみに、これは「電気通信事業法施行令別表第一」で規定された金額であり、田や畑のほうが宅地よりも高い使用料となっています。

中古住宅のときは、現地を見れば電柱の存在が分かりますから、それに関して契約上のトラブルが起きることはありません。注意が必要なのは、着工前や建築工事中の新築住宅です。

売買契約前の重要事項説明で電柱の設置について話があっても、その時点ではあまり深く考えなかったり、分譲会社自身が不慣れで電柱の設置に関する手続きが後回しになっていたりすることもあるでしょう。

電柱がある敷地は売りづらいことから、悪質な分譲会社や仲介業者だとその「設置予定場所」をあいまいにしたままで契約をさせることがあるかもしれません。

そのため、契約を終えてしばらく経ってから現地を訪れたら、敷地に電柱が立っていてびっくりしたというようなケースもあるようです。

しっかりとした分譲会社の新築物件では、そのような余計なトラブルを避けるため、販売開始よりも前に電柱を立ててしまうこともあるでしょう。

いずれにしても、数区画の分譲物件であれば「どこかに新しく電柱が立てられるはずだ」という意識を持って、事前にしっかりと確認することが大切です。

また、敷地内に電柱があると電線も敷地の上を通ることから、電線に集まる鳥のフン害など思わぬ被害を受けることもあります。そのような場合には電力会社へ相談すれば、鳥がとまりにくいような電線の処理など、電力会社の負担で何らかの対応をしてくれるはずです。

購入を検討する中古住宅の敷地内に電柱があるときには、鳥のフン害などが生じていないかどうかも確認してみましょう。

なお、敷地の利用にあたって電柱が何らかの障害になるときには、電力会社などの負担により、その敷地内で影響の少ない位置へ移設してもらえる場合があります。購入の際などには、遠慮せずに不動産会社へ相談して構いません。


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