家族のお弁当レシピ

日本全国のお雑煮(3ページ目)

正月料理の代表格「雑煮」。どのご家庭にも「我が家の味」があることでしょう。そこには、風土と共に人々が育ててきた食風習があります。日本全国のいろいろなお雑煮を見てみましょう。あなたのお雑煮のルーツが見つかるかも!?

執筆者:野上 優佳子

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丸餅に白味噌の雑煮は西日本各地に見られる


<東海地方>

すまし雑煮と味噌雑煮、打ち豆雑煮(滋賀県)
県内でも琵琶湖を中心に北部は醤油のすまし、西部は味噌仕立てという傾向がある。味噌も赤みそと白みそに分かれる。
彦根地方では、水で戻した大豆を槌で打ちつぶした「打ち豆」の入った雑煮がある。


<近畿地方>

京雑煮(京都府)
丸餅をゆで、具は金時人参や頭芋、雑煮大根などが入った白みそ仕立て。花がつおを上に添える。八坂神社の若水で作る家庭も。

大和雑煮(奈良県)

家庭円満を祈願して、人参や大根、芋頭(里芋の株)は輪切りに、餅も丸餅。味噌仕立てで、豊作祈願の意味を込めて「きなこ」を添える地域もある。正月に使う大根は、祝ダイコンと呼ばれる。

<中国地方>

鮎雑煮、小豆雑煮、岩のり雑煮、錦糸卵雑煮(島根県)
島根県は、雑煮のバリエーションがとても豊か。岩見地方の山間では干し鮎でダシをとった雑煮がふるまわれる。松江市や出雲市などの地域では、塩味のすましに煮た丸餅を入れ、その上に煮小豆を乗せ、食べる際に砂糖をふる。(石見地方では黒豆の乗せる家庭もあるそう)出雲や奥出雲は、醤油仕立てのすましで岩のりをトッピング。大田市周辺は具沢山で、醤油仕立て。セリやかまぼこ、岩のりと共に錦糸卵を乗せるのが特徴的。

小豆雑煮(鳥取県)
ぜんざいのようにゆでた丸餅と甘く煮た小豆という雑煮。日本海沿岸の地域で食べられる。

ブリ雑煮(岡山県)
備中地方には、出世魚の塩ブリや縁起物の百合根の入った雑煮がある。醤油仕立て。

穴子雑煮(広島県)
丸餅のすましに、人参や広島菜(京菜)の具材の他、焼き穴子が入るのが特色。地域によっては牡蠣を入れたり、穴子ではなく塩ブリということも。

<四国地方>

あん餅雑煮(香川県)
全国の特色ある雑煮の中でも、とりわけ話題になるのが讃岐地方の雑煮。人参やダイコンのほか、甘いあんこ入りの丸餅が入り、いりこだしの白味噌でいただく。

<九州・沖縄地方>

博多雑煮(福岡県)
煮た丸餅で醤油すまし仕立ての具沢山。焼きあご(とびうお)で取ったダシと、かつお菜、塩ブリが入るのが特徴。

具雑煮(長崎県)

島原地方の雑煮は、天草島原の乱がその発祥と言われる。天草四郎がろう城の際に、大鍋に近辺でとれる野菜や魚をいろいろ煮込んで食べたことを由来としており、焼き穴子やかまぼこ、卵焼き、椎茸、白菜など、とにかく具沢山。

薩摩雑煮(鹿児島県)
醤油のすまし、ダシは焼き干しえび。干し椎茸や人参などのほか、豆もやしを入れる家庭が多い。豆もやしは、宮崎県でも入れる地域がある。
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