アイルランド/アイルランドの観光

リムリックの街で「アンジェラの灰」の舞台巡り(2ページ目)

1997年にピューリッツア賞を受賞したフランク・マコート氏の自伝的小説「アンジェラの灰」。アイルランドがヨーロッパの貧しい小国だった時代に、リムリックで過ごした少年時代。繊細だからこそ生まれるユーモアな視点で物事をとらえながら一日一日を生きるマコート少年の歩いたリムリックを体感できるツアーです。

執筆者:原 貴子

映画版「アンジェラの灰」のロケ地

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オーバル型を描くように並んだかわいらしいジョージアンハウスがあるザ・クレセント

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カラフルなドアが特徴

リムリックはジョージアンハウスが多く見られることでも有名なのですが、こちらの「ザ・クレセント」という場所は、中央の小さな広場の両サイドに美しいジョージアンハウスが立ち並ぶ、ひときわ美しいエリアになっています。

ジョージアンハウスを建てた建築家が計算してつくったという中央のオーバル型のスペースがエレガントな雰囲気を添えているのですが、こちらは映画版「アンジェラの灰」のロケにも使わたそうで、その際には、このカラフルでかわいらしいドアをすべて黒塗りにし、窓枠や建物にヨゴレを施して当時の様子を再現して撮影したそうです。

クレセントの横にはマコート少年が教会での仕事を求めて訪れるも、断られることになる教会「Jesuit Church」もあります。

 

フランク少年、思い出の教会その1

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家族を養うために教会から食べ物をもらう人々の列に母親を見つけた時は、胸が締め付けられる思いがしたとはマコート氏の弁とか

ユーモアにあふれるマコート少年のお父さんですが、その日稼いだお金をお酒に使ってしまうこともしばしば。当然マコート家の暮らしは激貧だったわけで、育ち盛りの子どものために食べ物を求めてお母さんのアンジェラが向かったのがこちらの教会。クリスマスにもらった豚の頭のエピソードは一度読むと忘れられないはず。

思い出の教会その2 懺悔に通ったドミニカン教会

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緑あふれるピープルズパーク

敬虔なカトリック教徒の儀礼のひとつ懺悔。「10代の男の子ならなおさら。少なくとも週に一回はそのために教会に行くように言われていたからね」とノエルさん。

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懺悔のために通ったドミニカン教会

こちらはマコート少年が嫌々ながら懺悔に向かった教会。ところが幸運なことに(?)こちらで、耳の聞こえない神父さんをみつけて、真の懺悔からは逃れることができるのです。

このドミニカン教会とペリースクエアを挟んで向かい合うようにプロテスタントの教会があります。

大人から、プロテスタントの人間は早く死んでしまうと聞かされたのを本気で信じていたマコート少年は、ピープルズパークで遊ぶプロテスタントの美しい女の子を見ては、「あの子もどうせすぐに死んでしまう」と思っていたのだとか。

 

フランク少年が通った小学校

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作中でも頻繁に登場するマコート氏が通った小学校

ピープルズパークに面したペリースクエアには、フランンク少年の通っていた小学校があり、ツアーはこちらで終了します。こちら、現在ではフランクマコートミュージアムとして一般に公開され、作中に出てくるシーンを再現した部屋や、フランク・マコート氏にゆかりのある品々などが展示されています。ツアー後はこちらを見学するのもおすすめです。

<DATA>
■Angela's Ashes Walking Tour(「アンジェラの灰」ウォーキングツアー)
予約方法:シャノン川沿い、Arthurs Quayにあるインフォメーションセンターで申し込み
時間:毎日14:30~
料金:10ユーロ
【編集部おすすめの購入サイト】
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