間取りやライフスタイルに合わせて使いやすいスペースに
日々の暮らしにアウトドア空間を取り込むことができ、食事や趣味を楽しみ、心地のよい時間を過ごす場として人気のウッドデッキ。新築でもリフォームでも庭の一部にウッドデッキを設けるプランは多くみられます。ウッドデッキとは、木材でつくられた甲板のこと。一般的には、スギなどの天然木材を使用したものを指しますが、エクステリア建材としては、木粉と樹脂を混ぜるなどした人工的なデッキも含まれることが多いようです。いずれを用いるとしても、配置や広さなどを充分に検討しないと、有効活用できないケースも。取り入れる際には、間取りやライフスタイルに配慮して、プランニングすることが大切でしょう。
眺めを楽しみたいのか、作業に使用したいのか、日々の暮らしの中で、デッキでどう過ごしたいのか具体的にイメージしてからプランニングを。[樹ら楽ステージ 木彫] LIXIL
Point1 設置する目的を明確にする
新築でもリフォームでも、まず、最初に検討したいのは、ウッドデッキを設ける目的。誰が、いつ、どんな過ごし方をしたいのか、どんな作業をしたいのか、具体的にイメージすることから始めましょう。たとえば、「家族でお茶を飲んだり、友人を招いてバーベキューを楽しむスペースにしたい」「趣味のガーデニング作業ができる場所にしたい」「幼い子供の遊び場にしたい」「ペットの居場所にしたい」「洗濯物を干したり、家事をする場所にしたい」など、具体的な希望を明確にしておくことがポイント。その目的に合わせて、外まわり(庭)スペースのどこに設けるか、建物内のどの部屋から行き来できるようにするか、広さや形状、目隠しの有無などを検討していくことが大切でしょう。
「お茶を飲みたかったのに、狭くて椅子も置くことができない」「お客様のおもてなしにも使用したいのに、子供室からしか行き来できない」というようなことにならないように、目的に合わせたプランニングをすることが大切です。
Point2 新築では、建物の間取りと同時に検討する
新築の場合は、できる限り、建物本体の間取りと同時に検討を。ゾーニングや動線、広さなど、間取りと一緒にプランニングすることが重要です。外まわりはどうしても後回しになりがちですが、ウチとソトを一緒に考えることで、使い勝手も高まるものです。たとえば、「お茶を飲んだり、バーベキューを楽しむようなスペースにしたい」場合は、リビングやダイニングなどから行き来できる場所に、椅子やテーブルを置くことができる広さを確保して。ウッドデッキを室内の床と同じレベルにすれば、スムーズに出入りすることができ、視覚的にも広がりを感じることもできるでしょう。また、お客様も一緒に楽しみたいのであれば、ゆとりのある広さが必要ですし、玄関アプローチからも行き来できるような動線も考えておきたいものです。
希望するデッキのプランによっては、建物本体の配置や間取りにも影響が及ぼすことがある場合も。住まい全体、敷地全体を考慮して、早めに検討することが、使い勝手の高いスペースを生み出すポイントでしょう。
スロープのあるデッキとすれば、車椅子でも行き来できる。[リウッドデッキ 200 スロープ納まり] YKK AP
Point3 リフォームでは、限られたスペースの中で適したプランを考える
リフォームの場合も、設置する目的を明確にすることはとても重要ですが、現実的には、限られたスペースの中でプランニングする場合が多いかもしれません。設置する目的や優先順位、設置できる場所の広さや動線などの条件をすり合わせ、適した形状のプランを検討することが大切でしょう。一般的なのは、リビングの掃き出し窓などにつなげてデッキを設置するケース。ダイニングやキッチンが近くに配されていることも多く、セカンドリビングとして、趣味の空間やペットの居場所としても使い勝手がいいものです。
また、デッキをスロープ状に設け、車椅子でも直接、居室に出入りできるアプローチとするプランもみられるようになりました。居心地のよい空間とするとともに、実用的なスペースとしても有効でしょう。
リフォームで検討する際のメリットは、室内からの行き来、室内からの眺めなど、実際の暮らしに合わせてプランニングできること。ある程度の制限はあるものの、現状の暮らし方や今後のライフスタイルに適したプランが実現しやすいでしょう。
Point4 道路や隣家など周囲からの見え方に配慮する
格子タイプの高めのパーティションを設けてプライバシーを確保する。 [ルシアス ハイパーティションA01型(横板格子) 08用T190 デッキ材 ID:ナチュラルブラウン] YKK AP
たとえば、垣根となる樹木を植えてもいいでしょうし、目隠し効果のあるフェンスや格子、パーテーションなどを設けても。メーカーからは、プライバシーを確保できる、さまざまな建材アイテムが揃っているので、敷地条件に合わせて組み合わせることが可能でしょう。また、隣家の2階や集合住宅などからの視線が気になる場合は、屋根をつけたり、パーゴラやオーニングなどを設置しても。横からの視線、上からの視線の両方を考慮することも大切です。
Point5 手すりやオーニングなどを組み合わせて
デッキのプランニングは、デッキのみのオープンなスタイル、手すりを設けたタイプ、オーニング(日除け)やパーゴラ(日かげ棚)、サンルームと組み合わせるなど、さまざまな空間づくりが考えられます。エクステリアメーカーからも、豊富なアイテムを揃えたシリーズがみられ、好みにあわせたコーディネートが可能でしょう。日差しを遮るオーニングを組み合わせて心地よさをアップする。[レストステージ] LIXIL
また、デッキ近くにあると便利なのが水道設備。庭の散水栓と兼用でもいいですし、シンクを設けても。その他、デッキを照らす照明を設ければ、夜でも楽しむことができるでしょうし、作業スペースとして使用するのであれば、コンセントも用意しておくといいでしょう。
Point6 洗濯物干しや家事スペース、バスコートに利用しても
ウッドデッキのプランには、メインの庭側に設けるケースが多くみられますが、住まいのバックヤードに設けても重宝するものです。勝手口や洗面室などから出入りしやすい場所に設置して、洗濯物干しのスペースとしたり、ガーデンニングやペット用品、分別ゴミなどの一時置き場などとしても。家事作業のスペースを確保することで、使い勝手も広がるでしょう。また、お風呂上がりの時間を楽しみたければ、バスルームに隣接させてバスコートとしても。ゆったりとした時間を過ごすことができるでしょうし、幼いお子さんの庭遊びの後、ペットの散歩の後など、デッキを通ってバスルームに直接行くことができるプランは、使い勝手もいいでしょう。
ウッドデッキを検討する際には、設計(工事)担当者に相談することはもちろん、エクステリアのショールームやモデルハウスのデッキプランなどを参考にしても。ショールームによっては、持参した敷地図や平面図などで、アドバイスをもらうことができる場合もあるので、積極的に活用してみてもいいでしょう。
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