世界中の富裕層が集まるリゾート地、ニースへ。
フランスが誇るリゾート地、ニース。一年を通じて碧い海と空が広がり、そよぐ風に海の薫りが漂います。過去19世紀の頃から多くの貴族や芸術家にも愛されてきた歴史を持っています。そして今も世界中から人が訪れいわばセレブが集うリゾート地。ニースの魅力は自然や気候だけではなく、料理文化も特筆に値します。19世紀中頃までイタリア領だったため、イタリアとフランス両方の影響を受け独自の料理文化が存在するのです。フランスで外国人最年少でミシュラン1ツ星の快挙
松嶋啓介シェフのレストラン「KEISUKE MATSUSHIMA」
そんなニースでご紹介したいのが、ニースで著名料理人の一人、松嶋啓介氏がオーナーシェフの店、「KEISUKE MATSUSHIMA」です。場所は海岸から1本入った高級レストランが並ぶストリート。さりげない外観でとても上品です。ニースでもいわゆる一等地に店を構える松嶋シェフは、25歳の若さでここに開業されました。そしてその3年後28歳、外国人最年少でミシュラン1ツ星を獲得! この偉業は、当時世界中の若き料理人や日本の食業界人を驚かせ、同時に歓喜させました。そして「KEISUKE MATSUSHIMA」は2013年ちょうど10周年を迎えました。10周年。シェフの思いとフルコース
頂いたのは10品フルコース、110ユーロ。最初のアミューズは4種。ラタトゥイユのシャーベット、鰯のマリネとソッカ(ひよこ豆を擦って焼いた生地)、鮪リエット、バルバジュアン(モナコの国民食の一つで揚げ餃子のイメージ)。南フランスらしい香りの品です。おそらく世界のセレブが求めている「日本人シェフ松嶋が作る味」とは、こういうことなのでしょうね。
続くフォアグラは、ニースの銘菓ヌガーのようなデザートフォルム。アプリコットの甘酸っぱさも女性好みの品では?
海老とアサリの旨み両方が楽しめたスープ
フランス独特の小さなベリーと薔薇のソルベ
「シンプルな料理=感性や本能に問う、ちょっと官能的な事」。
「10年は振り返ったらあっという間。今、食べてほしい料理は今日みたいなシンプルな料理かな。でも、シンプルって、その人の感性や本能に問いかける官能的な事ですよね? なのであまり深く考えずに食べ、直感で感じてほしいんです」。シェフに10年たった今を伺ったお答えがこうでした。「シンプルな料理=官能的なこと」。料理の本質と素晴らしい言葉遣いのセンスを感じる松嶋シェフの名言(とお呼びしたい程のお言葉)だと感じました。
40名ほど入る店内は連日満席。貸切の日も多い
ニースの朝市場。そこで知ったおいしい理由
翌日、朝市場にもご一緒させて頂きました。印象的だったのは、シェフが地域の人の間でも人気者だということ。行く所々で語り、笑いあう……。市場の素材の良さは、料理がおいしくなる理由のひとつですが、松嶋啓介氏自身のニースでの存在感、人柄がお店の魅力であり、料理をおいしく頂ける真の理由なのでしょう。大人女性が嗜む、セレブリゾートディナー
海沿いには高級リゾートホテルが立ち並び、「天使の湾」と呼ばれる海岸には多くの人々が賑わっています。トップレスで過ごす人の姿にはやはりドキッとするものの、自然に解き放たれた、本能的な開放が似合うのがニースなのかもしれません。単なる野性さではなく、どこまでも品が感じられます。日本人離れした遊び感覚を持つ松嶋氏が、ここで10年の時を経て差し出す料理の数々。「KEISUKE MATSUSHIMA」のリラックスした店内で、ゆるりと自己を解放して味わうのが、大人女性のセレブリゾートディナーなのでは。
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■KEISUKE MATSUSHIMA
住所:22Ter Rue de France, 06000 Nice, フランス
TEL:+33 4 93 82 26 06
営業時間:ランチ12:00~ ディナー19:30~
予算:ランチコース28ユーロ~、ディナーコース85ユーロ~ ※共にアラカルトメニューあり