パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

トシ オー クー デュ パン【都立大学】(2ページ目)

パリのパン屋さんのように早朝6時から営業している、バゲットがおいしいパン屋さんが都立大学にオープンしました。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

ハムバターサンド、ジャンボンブール

ジャンボンブール

ジャンボンブール


バゲットは、半分の長さでサンドイッチとして2、3種類、朝のうちうから販売されます。「ジャンボンブール」はクリームチーズかと思うほど贅沢にスライスされたカルピスの発酵バターと、無添加のボンレスハムを挟んだサンドイッチ。そう、バターを「塗る」のではなくて「挟んでいる」。
バターがおいしさのポイント

バターがおいしさのポイント


バゲットのサンドイッチというものは、形状といい固さといい、食べにくいことが多いものですが、これは歯切れがよく、つめたいバターのミルキーなコク、上質なハムの味わいとあいまって、パンそのものの味わいがぐっと引き立って、気がつけば半本、心地よく食べきってしまいます。
 

そしてまた、バゲットの話

このバゲットのクラムはグレイッシュな色味をおびていて、目が詰まっているけれど軽く、深い香りがあります。168円という価格はバゲットが日常の気取らない食べものだというトシさんの想いからきています。

「おいしい食べものは、食べ慣れたものだと考えています。パリのバゲットを再現しても、食べ慣れなければおいしいと感じてもらえないかもしれない。まずは価格を一般的なものより下げて購入機会を増やすことで、日常的に食べてもらおうと思いました」。

ハード系ではあるけれど、クラストはパリッと薄くて食べやすいのは「フランス人は快楽主義なんです。おいしいバゲットで口を切るなんてありえないでしょう。赤ちゃんでも食べているんだから」。トシさんのバゲットへのこだわりは、師匠のアニス・ブアブサさんに言われた「日本にフランスの食文化を伝えてね」というところに常に立ち返ります。
 

フランスのパン食文化を伝える

バラエティブレッド

バラエティブレッド

週末には大型のパンも増える

週末には大型のパンも増える


バゲットのことばかり書いてしまいましたが、トシ オー クー デュ パンにはバゲットの他、全粒粉やライ麦やルヴァンのパンとそのバリエーション、ドライフルーツやナッツを入れたものがいくつかと、ヴィエノワ(ミルクパン)のバリエーションやクロワッサン、パン・オ・ショコラなどがあります。トシさんは修業時代、名店ル グルニエ ア パン(Le grenier a pain)でヴィエノワズリを焼いていたこともあるそうです。
ヴィエノワズリ

ヴィエノワズリ

全粒粉のレーズンとクルミのパンも人気

全粒粉のレーズンとクルミのパンも人気


日本人好みにチョリソやチーズ、フィグ入りのパンはつくるけれど、基本はトシさんがフランスで出合った「これぞフランスのパンだ」というものを中心に構成されています。いずれはキャロットラペやアッシパルマンティエなど、フレンチ惣菜の販売も予定されています。
ハード系のバリエーション

ハード系のバリエーション

 
トシ オー クー デュ パン

トシ オー クー デュ パン

■トシ オー クー デュ パン(Toshi Au Coeur du Pain)

トシ オー クー デュ パンは東京都目黒区中根2-13-5 に移転しました。(2018.7)

 

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