発酵乳を加工し、し好性を高めた乳酸菌飲料。
多様な乳酸菌飲料
スーパーなどでは、乳酸菌入りの食品はたくさんあります。特に、ドリンクタイプは、タイプがいろいろですが、見分けがつきにくいですね。表にもある「無脂乳固形分」とは、牛乳から水分と脂肪分を除いた成分(主に、タンパク質と糖質)です。
「無脂乳固形分」が8%以上のものが「はっ酵乳」で、一般の商品には「発酵乳」と記載されます(本来の「はっ」が当用漢字に入っていないため)。「ジョア」や「ミルミル」(どちらもヤクルト本社)、「十勝飲むヨーグルト」(日清ヨーク)などがあります。
「乳酸菌飲料」には、「無脂乳固形分」が3%以上のものと3%未満のものがあります。3%以上のものが「乳製品乳酸菌飲料」で、ヤクルト(ヤクルト本社)とカルピス(カルピス)、ピルクル(日清ヨーク)などがありますが、ヤクルトやピルクルは生菌で、カルピスは殺菌されています。殺菌した場合は、生きた乳酸菌は含まれませんが、殺菌乳酸菌も善玉菌の餌となり保健効果があることがわかっています。
植物性乳酸菌飲料の「ラブレ」(カゴメ)。無脂固形物が3%未満です。
「乳酸」「乳」という言葉が入っており原料として使われていますが、トクホの「カルピス酸乳 アミールS」(カルピス)や、「ビックル」(サントリー)などは、「清涼飲料水」です。
「乳酸菌飲料」は日本で生まれた食品で、外国ではあまり見られず、これまで海外では乳酸菌飲料は「清涼飲料」などに分類されていました。この乳酸菌飲料も「国際食品規格」にしようと働きかけ、2010年に新たな国際規格として採択されました。
発酵乳・乳酸菌飲料に関しては、食品衛生法にもとづいて、必要な表示項目などが、規定されています。また乳酸菌飲料に「○○ヨーグルト」「ヨーグルトのような乳酸菌飲料」などと表示したり、トクホではないのに健康に美容に関して効能効果があるかのように誤認されるおそれがある表示は禁止されています。
私たち消費者は、ついつい自分が求める情報を選び、思い込んでしまうことがあります。乳酸菌入りの商品も様々なタイプがあり、機能性が認められているもの、そうではないものもあります。もちろん食品ですから、おいしい、好きだからでもよいのですが、乳酸菌をとっているつもりでなんとなく選んでいた方は、改めて表示を見直してみてはいかがでしょうか。
参考/
・乳酸菌飲料の飲用(マイボイスコム株式会社)
・健康食品の安全性・有効性(国立健康・栄養研究所)
・一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会
・世界中で愛されるヨーグルト(独立行政法人農畜産業振興機構)
・一般社団法人日本乳業協会
その他